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長谷部誠選手、ロヒンギャ難民と交流

2019年6月8日 19:31

世界で最も深刻な人道危機の一つとされるロヒンギャの難民問題。
その実態に目を向けてもらおうと、ドイツを拠点に活動するサッカー元日本代表キャプテンの長谷部誠選手が難民キャンプを訪れた。

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今週、長谷部誠選手が訪れたのはバングラデシュ南東部、ミャンマーとの国境付近。

長谷部選手「あっちがミャンマーですか?」

ユニセフスタッフ「はい。ロヒンギャの難民はあの山を越えて逃げてきました」

目にしたのは、果てしなく広がるロヒンギャの難民キャンプ。

長谷部選手「現実で見るとすごいですよね」

日本ユニセフ協会の大使を務める長谷部選手。ドイツで10年以上プレーする中、ヨーロッパの難民問題に関心を持ち、去年はギリシャにある難民キャンプを訪問している。

ロヒンギャが難民化して、まもなく2年。世界の関心が薄れつつある中、現状を知ってもらうために現地を訪れた。

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仏教国のミャンマーで迫害を受けてきた少数派のイスラム教徒ロヒンギャ。国連などによると、2017年8月、軍などの掃討作戦で、大勢のロヒンギャが殺害され、難民が隣国・バングラデシュに流れ込んだ。

90万人以上が暮らす世界最大規模の難民キャンプは電気も水道もない厳しい環境だが、こんな変化も――。国際的な支援などもあり、当初のモノ不足は改善の傾向にある。

ロヒンギャ難民の店主「1年くらい前から(商品が)手に入るようになってきた」

道路の整備も進んだ。一方、物資だけでは解決できない問題も。

ロヒンギャ難民(20)「勉強したいという思いは今でもあります」

バングラデシュ政府は、難民の定住を避けるため難民向けの教育機関の設置を許していない。そのため、キャンプの人口の半数を占める子どもたちの多くが、十分な教育を受けられていないという。

ロヒンギャ難民(20)「弟も勉強したがっていて頭もいい。医者を目指しているので、できる限り教育を受けさせたい」

長谷部選手「なんでお医者さんになりたい?」

弟(10)「両親を助けたいから」

ユニセフなどが学習センターを作り対応しているが、追いついていないのが現状。

雨期が始まり、ぬかるんだグラウンドで裸足のままボールを追いかける子どもたち。足を取られながらも笑顔でサッカーを楽しむ。

長谷部選手は、こうした難民の子どもたちとの交流が、日本でロヒンギャ問題に少しでも光をあてるきっかけになればと話す。

長谷部選手「(大勢の人に)知ってもらって行動に移してもらうことが1つの使命。これからいろんな場所を訪れ日本の方々に伝え、感化してもらえたら」