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高校生4人、踏切で立ち往生の老夫婦を救出

2019年5月30日 20:38
高校生4人、踏切で立ち往生の老夫婦を救出

埼玉県内の踏切で、立ち往生していた老夫婦を救助した高校生4人に、感謝状が贈られた。見事な連携で事故を未然に防いだ高校生。そこには、4人の友情があった。

◆高校生4人に警察から感謝状

30日午後4時半頃、高校生らと埼玉県春日部市の踏切を訪ねた。

木村真夏輝さん(17)「(高齢男性が)倒れていたのを起こして、そのまま座り込んでしまって。『助けなきゃ』という感じで、何も考えてなかった」

高校3年生の生徒4人は、踏切で転倒した男性を、電車が来る直前、間一髪で救助した。

「大変ありがとうございました」(埼玉・春日部警察署)

警察から感謝状を受けとった福田隆乃介さん(17)、木村真夏輝さん(17)、岡村和馬さん(18)、西脇海斗さん(17)の4人。救助には、高校生らの迅速な連携プレーがあったという。

◆その時の状況は…

現場は、東武伊勢崎線の一ノ割駅近くの踏切。車は通れない、小さな踏切だ。事故が起きたのは今月11日の午後3時半頃で、高校生4人が自転車で下校中のことだった。

木村真夏輝さん(17)「(踏切が)鳴る前に(高齢夫婦と)すれ違ったのは気付いたんですけど、そのまま行ったらガシャンと音が聞こえて」

4人が踏切の方向を振り返ると、そこには線路内に倒れた高齢男性と、隣であわてふためく高齢女性の姿が…。しかもその時、遮断機が下がってきた。4人は自転車を置き、踏切に走ったという。そして、1人が即座に非常ボタンを押した。

その後、4人で遮断機をくぐり、2人がかりで男性を外に運び出し、残り2人で自転車を外に出した。また、電車は、踏切の100メートルほど手前で停止し、けが人も出なかった。

◆救助がうまくできた理由は?

4人がうまく救助できたのには、理由があるという。

木村真夏輝さん(17)「毎日一緒に帰る仲なので、その日もたまたまじゃなくて、いつも通り帰ってただけなので。他人だったら(役割が)かぶったりしてダメだったと思うんですけど、4人だったから遠慮なく、みんな別々に(行動が)できたんだと思います」

4人で通る、見慣れた踏切。とっさの出来事でもすぐに手分けして救助することができた。高齢男性の妻は──

──4人がいなければ、私だけでは助けられなかったので、とても感謝しています。

見事な連携で事故を未然に防いだ高校生。そこには、4人の友情があった。