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米中貿易摩擦をみて、日米貿易交渉に備える

2019年5月27日 16:16
米中貿易摩擦をみて、日米貿易交渉に備える

トランプ大統領は25日から「令和」初の国賓として来日している。米中貿易摩擦についてアメリカの政治外交に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に話を聞いた。


――米中貿易摩擦についてはどのような話が行われるのでしょうか。


米中貿易摩擦については2つ考えられます。1つ目は、貿易よりも安全保障の問題であるというのが、アメリカの一部の見方であります。日本もこの安全保障に関してはのっていけるわけです。

例えば、技術移転の強要や知的財産権をあまり大切にしない中国の姿勢に関しては、やはり日本としても「NO」といいたいところですし、そもそも技術移転から中国に行った技術は最終的に国家の方にいって軍事運用されるかもしれないとなるとこれは安全保障の問題でもあるんです。

それがあるから、ファーウェイの問題が出てくるわけです。日米間で協力して安全保障に関しては、中国に訴えていくというのはこれはいえるところだと思います。

そしてもう1つ、米中の貿易問題は、日本の貿易の問題でもあるということです。貿易赤字の問題もありますし、為替操作の話もあります。トランプ大統領は日本に対して先手を打ってきたわけですね。昨日のトランプ大統領のツイートですが「貿易の話はうまくいっている。農業と牛肉がとても重要だ。そして期限を切った。7月の選挙の後、大きな日本からの妥協がほしいんだ」

ここまでいわれているので、日本としても、米中貿易摩擦がどこまでいくのかというのを聞くと同時に、それは日本に対してどんな攻め方をするかという、何となくそのニュアンスを把握していくこともありますよね。

要するに米中の貿易の問題は日本にも視野に入っているというのがトランプ大統領です。

それに対して日本はいかに安倍首相の“Charm Offensive(チャーム オフェンシブ)”でうまく中国のやり方を日本側は聞き出して日本の国益にあうように対応していくかということですよね。