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景気「緩やかに回復」維持も… 消費に異変

2019年5月24日 18:55

政府は24日、5月の月例経済報告を発表した。景気の判断を下向きに修正したものの、「緩やかに回復している」という判断を維持した。

いま、消費の現場では、ある“異変”が起きている。

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都内にある焼き肉店。1番人気は牛タンや上カルビなどが一度に味わえる肉の盛り合わせ。この店では10連休のゴールデンウイークは大忙しだったという。

WithPetFamily・吉田達也社長「昨年に比べて8%から10%くらい売り上げの伸びを示していました」

想像以上の客足だったという。一方、その反動もあるという。

WithPetFamily・吉田達也社長「GW明けてからは、昨年に比べて数パーセントの下げ、落ち込みを」

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例年、ゴールデンウイークの後に落ち込むという“個人消費”。

全国の百貨店が加盟する日本百貨店協会によると、「今年は例年よりも長かったため、売り上げはよかったものの、ゴールデンウイークの後は、その反動で消費が落ち込んでいる」という。

街の人に聞いた。

街の人「5月いっぱいは結構(買い物を)控えました」

街の人「節約しようっていうのは、自分に言い聞かせています」


固く締まった“財布のヒモ”。

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ゴールデンウイークあとの消費の落ち込みに「秘策」を用意したところもある。

回転ずしチェーンで先週から始まったのは、「ハワイアンフェア」。メニューは回転ずしにもかかわらず、ハワイで人気の「パンケーキ」と「ガーリックシュリンプ」。

カッパ・クリエイト、マーケティング部 牛尾好智部長「GW明けから実施することで、お客さまの消費を喚起するような狙いもございました」

“すしとハワイ”のような「意外な組み合わせ」が集客には有効だという。

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一方、集客を目指し、店舗を大きく改装したスーパー。新設されたイートインで食べられるのは、鉄板にのった本格的なステーキ。

実は、ここで提供されるステーキの一部は、売り場で買うことができる。また、肉だけでなく、海鮮丼に使われている魚も鮮魚売り場で購入が可能。

イオンリテール広報部・大瀧和孝さん「実際に食べていただくことで、次の献立にしようという機会になっていると思います」

“イートインの充実”で、利用者の来店回数が増えれば、売り上げアップにつながると期待している。

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様々な工夫を凝らして、消費者の購買意欲を高める企業の“試み”。

そんな中、24日、政府が5月の月例経済報告を発表した。

中国経済の減速をうけて、企業の生産や設備投資が伸び悩んだことなどから、「景気の総括判断」を2か月ぶりに下方修正。

一方、景気が回復局面にあるという認識は維持した。

専門家は、「夏の選挙を見すえて政治的な配慮が働いた、と言われてもおかしくないくらい『甘すぎる評価』と言わざるを得ない」と厳しく評価。

今後については「景気が持ち直す可能性はあるが、アメリカと中国の通商交渉の行方次第」と話している。