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ふるさと納税“豪華返礼品”の4市町を除外

2019年5月14日 19:35

ふるさと納税で豪華な返礼品を贈る大阪府泉佐野市など四つの市と町が、来月から制度の対象外となることが発表された。対象外となった自治体からは、早速、反発の声があがっている。

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14日午後4時、記者団の前に姿を見せた、静岡県の小山町の町長。
静岡・小山町 池谷晴一町長「矛盾してるわけですよ。行って聞いたことと、結果が違うわけですよ。全国に迷惑かけるようなことやってきたんで、それは反省して、もうやりませんと言ってるわけですから」

怒りをあらわにした町長。小山町は、来月から、ふるさと納税の対象から除外される事になった。

職員も、ショックを隠せない。

小山町ふるさと納税担当・勝又徳之課長「(対象外リストに)小山町が載っていると、残念ですね」

町が去年集めた寄付金は、年間およそ250億円。その損失は計り知れないという。

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これまでは、どの自治体も自由にふるさと納税制度に参加できたが、6月から総務省は事実上の認可制に変更。およそ1800の自治体の中から、大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4自治体を制度の対象から除外する事を決めた。

総務省の会見「『返礼割合3割超』かつ『地場産品以外の返礼品』を提供し、さらに、いわゆる金券類を新たに返礼品に追加して募集を行った団体でございます。趣旨に沿った方法による、ふるさと納税の募集を行う他の地方団体に比して“著しく多額のふるさと納税”を受領したと判断致しまして、不指定としました」

総務省によると、これらの自治体は、アマゾンギフト券やタブレット端末など、地場産品ではないものなどを返礼品とし、去年11月からの5か月間で50億円を超える多額の寄付金を集めたことなどの理由で、対象から除外するという。

新たな制度では、返礼品の返礼割合が寄付金の3割以下であり、また、返礼品が地場産品であることを満たさなければ、指定自治体になれない。

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実は、小山町は返礼品の見直しを図っている最中だった。

小山町ふるさと納税担当・勝又徳之課長「これが町内の商店で取り扱っているお菓子。こういったものは地場産品ということで残しております」

来月から、300品目以上あった返礼品を4割以上も減らし、総務省の要望に沿うよう改善を決めていた。

また、影響が懸念されるのが、先月から町が始めた取り組み。町は、寄付金の収入を使って、幼稚園や小中学校の給食費の無償化を行っていた。

静岡・小山町 池谷晴一町長「基金を積み上げていますから、基金を取り崩してつないでいくということをせざるを得ないと思います」

町長は、給食の無償化を続け、再びふるさと納税の対象への復帰を模索したいとしている。

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また、昨年度、全国一の寄付金を集めた大阪府の泉佐野市。

泉佐野市市長公室・成長戦略担当 阪上博則氏「指定されなかったとうかがって驚いている状況です」

これまで泉佐野市は、「ギフト券付き返礼品で100億円還元」など、通販サイトも顔負けのキャンペーンを展開。いきすぎた返礼品で、幾度となく、総務省から注意を受けていた。

石田真敏総務相「泉佐野市の行為は一日も早く是正をしていただきたい」

異例ともいえる「名指しでの注意」。

泉佐野市も黙ってはいなかった。

泉佐野市・八島弘之副市長「総務省が一方的な条件を押しつけていると理解せざるを得ません」

国と対立していたものの、今回は、新制度に適する内容で、参加を申請していたという。しかし、除外を免れなかった。

泉佐野市市長公室・成長戦略担当 阪上博則氏「(Q.今後、ふるさと納税の復活は?)制度の状況を見ながら、そこにやれることがあるのであれば、やっていきたいとは考えています」

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総務省は、早くから返礼品の見直しを行っていた自治体への配慮も必要だとして、4自治体については、少なくとも今後1年4か月は、再指定することはないとしている。