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性別変えた住職に“共感”…駆け込み寺に

2019年4月3日 13:46
性別変えた住職に“共感”…駆け込み寺に

トランスジェンダーの住職は9年前、男性から女性に変わりました。

柴谷住職(64)「(修行先の)高野山なんて、まだ、女人禁制が 生きている世界なんです」「その中で、性別変更というような、とんでもないことをする奴(やつ)が出てきたと」

念願だった自身の寺を2月に開いたばかり。お遍路で知り合った友人や、性的マイノリティーの仲間が護摩祈祷(ごまきとう)に訪れました。

かつて男性として、新聞社に勤めていた柴谷さんの転機は、阪神・淡路大震災でした。この時、神戸にあった自宅は全壊しました。

柴谷住職「ほとんどの物をなくして、諸行無常、形あるものは全てなくなるという仏教の根本的な教え、これを体感・実感して、もう、自分を偽らずに生きようと思いました」

自宅のがれきから見つけたのは、旅行中に集めたご朱印の納経帳。自分の身代わりになってくれたと、お礼参りを始めると、仏教にのめりこんでいきました。

柴谷住職「白装束は一種のコスプレだが、あれを着ることで、男でも女でもないんです」「仏様の前で拝んでいる時は、男を演じる必要がなかったんです」

会社を早期退職し、高野山大学大学院で学業に専念。2010年に性別適合手術を受け、尼僧となったのです。祈祷後の懇親会にも、気軽に参加できます。住職の経験や人柄にひかれ、様々な人が集まってくるのです。目指すのは、駆け込み寺のような存在です。

護摩祈祷に訪れた友人「住職は、いろんな経験をしているから、共感が持てると思う」

柴谷住職「仏様の前では、私の心が楽になった」「そういう体験を今、悩みを持っている方にも感じていただきたい」


【the SOCIAL lifeより】