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花粉症に効果?「幻の果実」に注文殺到

2019年3月27日 19:12
花粉症に効果?「幻の果実」に注文殺到

和歌山県の山奥。人口わずか430人あまりの村で育てられる「ある果物」に今、注文が殺到している。実はこの季節ならではの理由があると言う。注目のワケを現地の村で探った。

「幻の果実」を求め、東京から新幹線や車を使って約6時間。たどりついたのは、日本唯一の飛び地の村、奈良県と三重県に囲まれているが、和歌山県に属する北山村。村の総面積の93%が森林で、人口わずか435人。ここが「幻の果実」原産の地だ。

村の商店には、多くのお客さんの姿。

大阪から来た客「(Q:何を求めて)じゃばら」

和歌山市から来た客「何かじゃばらの関係で変わったものないかな?と」

果実の名前は「じゃばら」。長年、北山村にしか存在しなかったため、「幻の果実」と呼ばれている。じゃばらキャンディーや100%のじゃばら果汁も(※じゃばら関連商品は通販で購入できる)。じゃばら関係の商品は例年の3割増しで売れているという。

和歌山県北山村役場地域事業課・池上輝幸さん「今まさにピークを迎えているところですね。初めて年間売り上げとしては3億円を突破しまして」

果たして「じゃばら」とは?高まる期待を胸に、私たちは「じゃばら」を作っている農家へ。「幻の果実」じゃばら。見た目はミカンやゆずに似ているが、寒さに強く、山間部で育つため、北山村は生育に最適な環境だという。

さっそく果汁100%ドリンクを堪能…ところが――

「ああ~…酸っぱいですねえ、普通の柑橘系ミカンより全然酸っぱい」

じゃばら農家・東幸則さん(63)「グワーっという感じの味がするという特徴的なものがある。元気になるっていうか」

特徴は強烈な酸味。「邪気を払うほど酸っぱい」という言い伝えから、「じゃばら」と名付けられたという。ではなぜ、こんな酸っぱい果実が注目を浴びているのだろうか。

東さん「アレルギーを抑制する効果があると(聞いている)。花粉症とかですね」

実は、このじゃばらと花粉症の関係について、岐阜大学医学部の研究チームがある発表をしている。岐阜大によると、じゃばらには、花粉症のアレルギーを抑える「ナリルチン」という成分が多く含まれていることが分かり、臨床実験では、くしゃみや鼻づまりなどの症状の改善に一定の効果があったという。

27日、北山村の人々は、スギ林に囲まれた自然の中で、愉快なカラオケ大会。

「(Q:花粉症ですか?)なってないです」「なってないです」「全然なったことないからわからんわい」

20人以上が参加する中、花粉症だった人はわずか2、3人だった。

一方、東京都内では…

31歳女性「今年もひどいですね結構」

9歳少女「目超かゆい」

日本気象協会によると、今年の関東甲信の花粉飛散量は、去年の1割増し。

19歳男性「今年は鼻がずっと出っぱなしみたいな状態で」

19歳女性「(花粉症の)薬をいつも朝と夜に飲んでいます」

東京・渋谷の雑貨店には約100種類の花粉対策グッズが。

今年、花粉症を発症の女性(20代)「通勤時が(のどが)痛くなったり、くしゃみとかも出るので、それをなんとかしなきゃなと思って」

ウレタン素材でできた肌に密着するというマスク(PITTA MASK 512円)から、顔に直接吹きかけるスプレー(イハダ アレルスクリーンEX 50グラム 972円)まで。

渋谷ロフト健康雑貨チーフ・信田翔平さん「前の年に比べると約1.4倍の売り上げです」

売り上げ増加傾向にある花粉関連商品。まだまだつらい季節は続きそうだ。