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“世界一小さな男の赤ちゃん”に会いに行く

2019年3月23日 9:24
“世界一小さな男の赤ちゃん”に会いに行く

先月、体重268グラムで生まれた男の子が、元気に退院したというニュースが伝えられた。その赤ちゃんに22日、「news every.」の鈴江奈々キャスターが会いに行った。男の子としては、世界で一番小さな赤ちゃん。両親の愛情を受け、すくすく成長していた。

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お父さんに抱かれてやってきた赤ちゃんは、間もなく生後7か月になるかわいい男の子。

赤ちゃんの両親「(Q.誕生した時は何グラム?)268グラムですね」「手のひらサイズだったと思います」

今でこそ3700グラムある男の子の体重だが、生まれてきた時はなんと268グラムの超低体重児だった。現在、30代になる両親にとっては初めての子供で、去年4月に妊娠がわかったが、19週目あたりから赤ちゃんの成長が遅れていることが判明。このままでは小さすぎて、おなかの中で死んでしまうリスクが高いと医師から告げられた。

赤ちゃんの父親「頭が真っ白になりましたね。何も考えることができなかったです」

赤ちゃんの母親「300グラムあるかないかの状況で、そういう子が生まれて生きていけるのかという話も伺って」

予定日まで、まだ3か月を残して「今、出産するように」と決断を迫られた両親。しかし超低体重児の状態で生まれた場合、肺などの臓器が成長していないため、合併症などによる死亡率も高く苦渋の選択だった。それでも我が子の生命力を信じた両親。妊娠24週、緊急手術の末、体重わずか268グラムで男の子が誕生した。

男の子が生まれて5日目――保育器の中で管につながれているが、大きさはリンゴほどだったという。

これまではドイツで生まれた274グラムの赤ちゃんが、男の子としては世界最小。この子は“世界一小さな男の子”として生まれた。しかし、300グラム未満で生まれた男の赤ちゃんで、その後、無事に退院できたのは世界でたった4人。

生後約1月半――自分でミルクを飲む力がないため綿棒を使って母乳を与えている。

新生児集中治療室で両親や医療チームに支えられた男の子。呼吸や栄養状態も良くなり、先月、元気に退院することができた。

赤ちゃんの父親「何が起こっても自分たちの子供だと思っていたので」

退院から間もなく1か月。リスクのある超低体重児で生まれたことに対する不安もあるという。

赤ちゃんの母親「未熟児網膜症というのがあって、小さな子は目が見えなくなるリスクが高いという話があったのと、脳の問題も出てくるかもしれない」

しかし、医療チームの医師は、今のところ順調に成長していると太鼓判を押している。人見知りすることなく、男の子は鈴江キャスターと目が合うと笑顔を見せるなど元気な様子。

赤ちゃんの父親「何か人の役に立てるような人になってもらえたらと思います。何か理由があってこういうふうに生まれてきたのかなと」