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「全国の鈴木さん助けて」盛り上がりのワケ

2019年3月13日 15:28
「全国の鈴木さん助けて」盛り上がりのワケ

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「全国の鈴木さん、助けて!」。東北ユースオーケストラ事務局長で、自身でも同姓同名が集う運動を展開している田中宏和氏に聞いた。

全国で2番目に多い名字「鈴木」の発祥の地とされる和歌山県・海南市の藤白神社。神社の境内にある国の文化財「鈴木屋敷」の復元のため、市と神社は全国の「鈴木さん」に、資金の一部、約6000万円分の寄付を募っている。また、海南市は「ふるさと納税」で企業からも寄付を募っているほか、藤白神社は全国の鈴木さんからも寄付を募っている。これまでに、静岡県浜松市の自動車メーカー「スズキ」が200万円を寄付したほか、全国1000人以上の「鈴木さん」が寄付をしたという。


――「田中宏和運動」を20年以上行っている田中さん、こうした名字にまつわる話題、どう思いますか?

これは、注目していました。名前が同じというだけですからね、それだけでこんな熱量が生まれるというのが素晴らしいと思います。私は『偶然と遊ぶ』と書きました。世の中、ついついAIとかIoTなど、何でも最適化するということで、効率・効果は上がってきますが、果たしてそれが面白いのかというと、それは別だと思うんですよね。

そこにやはり意外性とか、たまたま見たようなことを一緒に混ぜ込んで楽しんでいくというのがとても大事で、鈴木さんの活動というのは、たまたま名前が一緒、自分で選べない名字でこんな動きが出てくるというのは面白いなと思います。今回は“鈴木姓の発祥”ということなので、より気持ちとしても盛り上がりますよね。


――「偶然」と「必然」は似ているようで似ていないというか…。

人の感じ方だと思うんですよね。たまたまというのを運命、必然だと思うのか、それはその人の気持ちの持ち方とか、価値観にもよってくると思います。ここでつながった人たちから何かまた新しいものが生まれるかもしれませんね。


■田中宏和氏プロフィル
広告代理店に勤めながら、東日本大震災後、被災3県の子どもたちで編成された東北ユースオーケストラを運営している。東北ユースオーケストラは、子どもたちが優れた音楽家や指揮者などと出会うことで、さまざまな経験をする「成長の場」。子どもたちの活力が東北全体に活力を与え、新しい未来をつくりだすことを目指している。また、同姓同名の「田中宏和」さんが一堂に会する「田中宏和運動」も展開。ギネス世界記録である164人が集まることを目標に活動している。


【the SOCIAL opinionsより】