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「かなりの博奕」お笑い芸人語る辺野古問題

2019年3月7日 14:50
「かなりの博奕」お笑い芸人語る辺野古問題

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「普天間基地、辺野古移設」。「せやろがいおじさん」というキャラクターで沖縄を中心に活動するお笑い芸人の榎森耕助氏に聞いた。

沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設。先月、行われた埋め立てについての県民投票では「反対」の票が7割を超えた。これを受けて、沖縄県の玉城知事は安倍首相と会い、改めて普天間基地の移設に伴う辺野古の埋め立て工事を中止するよう迫ったが、安倍首相は工事の継続を明言し、沖縄県側に理解を求めました。国会でも、埋め立て工事を巡る質疑が行われている。

ネット上では「賛成、反対は言えるがどうするか?を言えない」「辺野古沖の軟弱地盤、海洋土木技術が試される!?」「この件、下手なコト言うと、面倒なことになるんだな」といった声がありました。


――榎森さんのご意見を伺います。フリップをお願いします。

『でーじばくちゃーやっさー』と書きました。沖縄の方言ですね。「とっても博奕だなあ」というニュアンスになります。政府は今、ものすごい大きなギャンブルをしようとしてるんじゃないかと思うんです。というのは、軟弱地盤の件が国会でもかなり追及されていて、議員の方が、「本当にできるんですか」「いつできるんですか」「いくらかかるんですか」という質問をした時に、「今の段階では確たることは申し上げられない」と言っているんです。なのに、土砂をがんがん投入して、護岸工事もどんどん進めていっています。

この感じでお金も大量につぎ込んで、沖縄のきれいな海を汚していって、結局できませんでしたとなったら、世界の大恥だと思うんですよ。だからこの博奕、相当なリスクあるぞ、大丈夫かというのが、今の僕の率直な気持ちなんですよ。

みなさん、ちょっと想像してもらいたいんですけど、例えばレストランに行って、シェフの方が「うちのメニューはこれしかありません、唯一の選択肢です。ただ、この料理いつできるかわかりません、いくら料金かかるかもわかりません、本当にできるかもわかりません」と言われたら注文しますか?これがちょっと僕にはできないと思うんですよ。

だから今こうやって県民投票で、明確なくっきりとした反対が出たので、安倍さんも真摯に受け止めるというようなお言葉を言っていらっしゃいます。ではもう一度、沖縄県とかアメリカとか話し合って、辺野古以外の選択肢はないかと探るような姿勢だけでも見せてくれないと、真摯に受け止めてもらっているとは感じられません。反対の民意が出た翌日に、もう土砂を入れていると。これは真摯という言葉とは裏腹ではないかと僕は思っています。引き返すなら今だぞと思っています。


――地元の人の声としてはどうなんでしょうか。

やはり反対の民意が大きいのは、やはり説明不足なんですよ。「本当にできるんですか」「いくらかかるんですか」に対して「わかりません」なのであれば、じゃあやっぱり他の選択肢探しませんかという方が多いと思います。


――反対意見と、実行する側の対話ができてないということなんでしょうか。

こちらが「反対だから他の案ありませんか」と言っても「真摯に受け止めるけど進めます」「代案を出せ」みたいなことをいわれるんですよ。一緒に代案考えようという対話の姿勢が見られるとうれしいなと思いますね。


■榎森耕助氏プロフィル
沖縄を中心にお笑いコンビ「リップサービス」として10年以上、活動。最近では「せやろがいおじさん」というキャラクターとして、沖縄の美しい海などを背景に、様々なニュースや日々のちょっとしたモヤモヤについて叫ぶ動画を配信。声を大にして言いづらいことを代弁する姿が話題となっている。また、「せやろがい式」発信スタイルをシェアするためのオンラインコミュニティの運営なども行っている。


【the SOCIAL opinionsより】