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米朝合意至らず 北にも「大きな誤算」か

2019年2月28日 17:53

ベトナムで開かれていた2回目の米朝首脳会談で、アメリカのトランプ大統領が会見し、首脳会談では非核化をめぐる溝を埋められず、合意に至らなかったことを明らかにした。韓国・ソウルから中継。

Q:合意文書の取りやめは北朝鮮にとっても誤算と言えるのだろうか?

その通りだ。トランプ大統領とのトップ会談にかけていた北朝鮮としては戦略の練り直しが迫られることになりそうだ。

金委員長は28日、カメラの前で「非核化の意思がなかったらここには来なかった」と述べるなど、非核化の意思があることを強調していた。

北朝鮮の国営メディアも「画期的な結果を導くため昨夜は突っ込んだ意見が交わされた」と伝えるなど、アメリカとの間で合意が結ばれることに期待を示していた。

今回の会談で焦点となっていた寧辺の核施設をめぐり、金委員長は去年9月、廃棄する意思を表明していたが、「アメリカの相応の措置」、つまり見返りを条件としていた。

今回の会談で金委員長は寧辺の廃棄に釣り合う見返りはなかったと判断したものとみられる。

北朝鮮は対話モードに転じて以降、アメリカの外交姿勢やトランプ大統領の側近を批判することはあっても、トランプ大統領には金委員長が何度も親書を送るなど、首脳間の信頼関係を強調してきた。

今回、トランプ大統領との直談判で納得いく成果が得られなかったことを受け、北朝鮮としては戦略の見直しを迫られることになりそうだ。