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「メリットばかり」お客様窓口のチャット化

2019年2月19日 15:43
「メリットばかり」お客様窓口のチャット化

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「お客様窓口へはチャットで問い合わせ」。ディライテッド代表取締役CEOの橋本真里子さんに聞いた。

AI技術を活用したコミュニケーションプロダクトを開発するモビルスは、お客さま窓口での問い合わせの手段などについて、男女約560人を対象に調査した。企業と顧客の接点となる顧客対応窓口への問い合わせの手段として、約3人に1人はチャットの利用経験があり、そのうち約9割は今後もチャットで問い合わせたいと回答している。

ネットでは「電話だと待たされる」「やりとりの記録が目に見え、残るから良い」「人間味があるようなないような」などの声があった。


――フリップをお願いします。

『メリットでしかない』と書きました。みなさんの意見にもあったようにチャットでの問い合わせは電話とは違って、とにかく待ち時間を減らすということにつながると思います。あと、何よりもやりとりが目に見えて残るので、トラブル時など再度確認もできるし、双方にとって非常にメリットがあると思います。

あと電話だと一方的に、この会話は録音しますと言われることがあるんですが、消費者はなかなかそれを確認することができない。ただチャットだと、それも簡単に確認することができるのがメリットだと思います。


――チャットだと人間味や味わいがないのかなという声もありますが。

捉え方を考えると、非常にニュートラルに対応ができると思います。感情が伴ってしまった結果、トラブルになってしまうこともあると思うので、それを防ぐ意味でも有効かと思います。


――橋本さんが開発された受付のシステムでもチャットを使っていると思います。感情において、人間だからこそやってしまう面などはありましたか。

受付をしている時は、いい意味での感情を出すというのは心がけていましたが、やはりどんどんお客さんがきても、きちんとニュートラルに対応するということは、人でも機械でも求められるスキルだと思います。


――コールセンターがどんどん機械に代わっていく一方で、文科省では、「生きる力を子どもたちに育てて与えていきたい」というのが明言されています。AIに取って代わられてしまうことではない人間らしい仕事を見つけていかなければならない、そんな時代をどう見ていますか。

私もその通りだと思っていて、人にしかできない仕事は何なんだろうというのを常に考える気持ちというのは、これからの時代で求められるスキルだと思います。


――例えば受付の仕事をされていたとき、これは人間にしかできないということはありましたか。

よくいらっしゃるお客さまの顔色や癖みたいなものを私たちは把握をして、スムーズに取り次ぎをするということを心がけていたので、それはやはり人にしかできない仕事だったと思います。


■橋本真里子さんプロフィル
大学卒業後、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィなど、上場企業5社の受付に従事。11年、延べ120万人以上の接客を担当してきた。その経験を生かし、受付の効率化を目指すディライテッドを設立、17年にクラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。約2年で導入は1500社を超えるまでになっている。


【the SOCIAL opinionsより】