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トランプ氏、非常事態宣言へ 法廷闘争も…

2019年2月15日 10:27

アメリカのトランプ大統領が、国境沿いの壁の建設のために、議会の承認なしで費用を捻出できるとする非常事態宣言を出すと、ホワイトハウスが発表した。

追い込まれたとの見方も出ていたトランプ大統領だが、ついに“禁じ手”を繰り出した。目玉公約の実現なしに大統領の再選は果たせないと判断したとみられる。

ホワイトハウスは声明で、政府機関の閉鎖を回避するため、大統領が新たな予算案に署名することを明らかにした。ただ、この予算案には「壁」ではなく「フェンス」などの費用として、トランプ大統領の要求を大きく下回る額しか盛り込まれていない。

そこで、大統領は不足分を補うため、議会の承認なしで費用を捻出できるとする非常事態宣言などの「大統領権限を行使する」ことを決断した。声明では「国境での安全保障と人道上の危機を食い止める」と強調している。

野党・民主党側の反発は確実で、民主党は法的手段を含め徹底抗戦する構え。

ペロシ下院議長「法廷手段も選択肢の一つであり、検討する」

ただ、トランプ政権側も法廷闘争の「準備はできている」と、受けて立つ構え。最高裁では保守派が多数派を占めているため、最後は「勝てる」と踏んでいるもようだが、与野党の対立が先鋭化することは必至。