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「竹」が温暖化で北日本でも拡大のおそれ

2019年2月14日 15:29
「竹」が温暖化で北日本でも拡大のおそれ

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「『竹』、温暖化で北日本でも拡大の恐れ」。竹あかりを使った空間演出などを手がける「ちかけん」の池田親生氏に聞いた。

里山の脅威となっている放棄竹林。年に最大3~4mの速さで拡大し、西日本を中心に地域環境の大きな問題となっている。

東北大学などの研究によると、温暖化の影響でモウソウ竹などの生育適地が拡大し、北限は北海道・稚内まで到達すると予想されている。

ネット上ではこんな意見が見られた。

「岩手だけど…昔はなかった竹林ができた」
「誰も住まなくなったじいさんち、竹にのまれた」
「竹って環境に良いんじゃなかったっけ」


――この話題について池田さんの意見をフリップに書いていただきました。

「両A面」です。

稚内まで竹が来ているというと、北海道の竹を使って作品が作れるというのは作り手としては高揚します。雪景色に竹あかりを作ってみたいというのはあります。

しかし、竹あかりの演出家として、社会活動や環境のために竹を切って作っている身としては全然、環境を守れていない。その結果、北に広がっていってしまっていることは残念な気持ちになります。

高揚する気持ちもあるし、失望する気持ちもある…「両A面」かなと。

――竹害というのは、大きな問題になっていますよね。

僕たちが作品を作るきっかけになったのも、九州で竹やぶが荒れていたことでした。荒れた竹が原因で地滑りが起きたり、広がるのが速いので家の中に入ってきたり、畑をつぶしたりという被害が出てきているのでそれを切って、どうにかしようというのが僕たちの作品です。


――具体的に、この問題とどう向き合っていこうかと考えていますか。

僕たちができることは、この問題を多くの人にメッセージとして伝えることかなと思います。

環境問題に興味がなくても「竹あかり」はきれいな作品だなと、きれいなものに興味がある人は、たくさんいると思います。それを通じて、こういう問題が日本にあるということをたくさんの人に知ってもらって、この問題が少しでも軽減していけばいいなと思います。


――池田さんたちは少人数でやっているのではなく、その地域の方々と取り組んでいってる、そうしたことで何か伝わることもありそうですよね。

そうですね。お祭りをやることで6000人、色々な町でやることで、たくさんの人たちがこの問題を知るきっかけになるし、お祭りを通して町がひとつになります。そのメンバーで課題解決に向き合うことができれば、良い方向にいくのかもしれないと思っています。

【the SOCIAL opinionsより】