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日本の労働生産性は低い…何か問題でも?

2019年1月8日 15:35
日本の労働生産性は低い…何か問題でも?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「低い日本の労働生産性」。日本生産性本部の調査によると、日本の労働者が1時間あたりに生み出す成果(労働生産性)は、4733円で先進7か国の中で最下位となっている。

日本生産性本部は「短い労働時間で業務をこなすための意識改革やビジネスプロセスの効率化が進めば、労働生産性の改善が期待できる」と、指摘している。

ネット上では「社会システムがおかしいからだよ」「ひとつの指標に振り回されることない」「そんなに効率の悪い働き方しているのか?」という意見があった。


――山口さんのご意見をいただきます。

『労働生産性、低いですが何か?』と書きました。私自身が労働生産性が高いタイプじゃないと思っています。企画書ものんびり書きますし、自分の不得意なことも多いので、いろんな人の手を借りて、今も仕事をさせていただいてます。

結局、労働生産性の高低だけで世の中のことを考えると、楽しくない世界になりそうだなと。例えば労働生産性が高い状態とは何かと考えると、100人でやっている仕事を1人でやるということですね。そうすると結局、全体の数は減ってしまいます。なので、労働生産性が高いという状態は逆に言うと、失業率が上がったりなどの社会不安にもつながったりすると思います。


――この番組でも多くお伝えしていますが、体に障害がある方でも働けるような日本になりつつあるわけですよね。

そうですね。だから労働生産性の高低よりは、それ以外の軸、例えば労働時間が短いとか、ユーチューバーのように本人が楽しくてやっているとか、いろんな人がいろんな価値を生み出すという社会が、個人的にはいいかなと思っています。なので、労働生産性の高低だけではない、さまざまな評価軸があるといいと思います。


――一方で、統計を取り始めた1970年から2017年まで最下位が続いていて、7か国の中でもっとも生産性が高いアメリカの2/3にとどまっている、かつ日本は、いま働こうという時間をできるだけ減らそうとしている、この状態が続くと大変なことになるという懸念もありますが。

さっきもコメントにありましたが、現状の労働生産性は上げることができると思うんです。既存の働き方は改善・改良することができる余地はもちろんあると思いますし、新しいビジネスをつくったり、僕らがやっているような新しいベンチャーを生み出すという活動は、短期的にみると労働生産性低いと思いますが、中長期的にみるとユニコーン企業というか、大きな会社をつくる可能性があるので、そういう活動をどんどんやっていきたいなと思います。


【山口豪志氏プロフィル】
プロトスター代表取締役COO。大学在学中からクックパッドに参画、広告事業・マーケティング事業に携わり上場に貢献。その後、ベンチャー支援強化のために株式会社54を創業。常時約30社のスタートアップ企業のアドバイスやコンサルティングを行っている。さらに起業家の最初期から事業成長ごとに多面的に支援。スタートアップのエコシステムづくりでも日夜奮闘している。


【the SOCIAL opinionsより】