×

“拉致”現状と展望 被害者帰国への道筋は

2018年12月31日 12:51
“拉致”現状と展望 被害者帰国への道筋は

北朝鮮をめぐる国際情勢が大きく動いた2018年。一方で、拉致被害者の帰国への道筋は見えていない。拉致問題の現状と来年の展望について、社会部・猪子華記者のリポート。

多くの被害者が北朝鮮に拉致されてから、40年もの年月が過ぎ、高齢になった家族の、「もう時間がない」という切実な思いは日に日に強くなっている。2002年に5人が帰国して以来、被害者は1人も帰国していないが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との姿勢を崩していない。

そんな中、今年6月、史上初めての米朝首脳会談で、トランプ大統領から金正恩委員長に対し、拉致問題が提起されると、家族の間には期待感も生まれたが、結局、日朝間に具体的な進展は見られなかった。

横田めぐみさんの母・早紀江さん(82)「本当に何という長い年月、解決しないんだろうという思いで」「きちんと日本が本気で解決していかなければ、このまま(拉致問題が)積み残されていくことだけは絶対に許せないこと」

家族の焦りが募る中、今年10月からは菅官房長官が拉致問題担当相を兼務することになった。

菅官房長官「(日朝)首脳会談というのはただ行うだけでなくて、やはり結果につながるものにしたい。さまざまな手段の中で対応しているということ」

2回目の米朝首脳会談に向けた調整が続くなど、北朝鮮をめぐる動きに国際社会が注目する中、日本政府は拉致問題解決への具体的な道筋を見いだせるのか、来年はまさに正念場の年と言える。