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大量の1円玉で「投げ銭供養」徳島県美波町

2018年12月9日 1:40
大量の1円玉で「投げ銭供養」徳島県美波町

徳島県美波町で、大量の1円玉を投げて先祖の霊を供養する「投げ銭供養」が行われた。この伝統行事にカメラが密着した。

寺に運び込まれた大量の1円玉。その数、約200万枚。すべてさい銭として使う。「投げ銭供養」は、毎年、徳島県美波町にある真言宗の11の寺が持ち回りで行っていて、今年は四国88か所のひとつ23番札所の薬王寺が当番だ。

「投げ銭供養」を行うにはまず1円玉に両替する。バケツ1杯、3000円分と5000円分の2種類が用意されている。美波町では、身内が亡くなると、遺族が33年間、1円玉を使い供養するならわしがある。

供養に訪れた人「(供養するのは)父親です。今年が33年なので、最後だと思って」

さい銭箱の周りも、外も順番を待つ人で大混雑。人出が多すぎて両替用の1円玉が足りなくなってしまった。でも、毎年こんな感じなんだとか。1円玉を何度も回収して、両替用にフル回転させる。

投げ銭供養では、戒名などを書き記した33年間の「過去帳」を古い順に読み上げていく。

最終日は、去年から今年にかけて亡くなった新仏の供養が行われた。初めて投げ銭供養を体験する人も少なくない。

初めて供養に訪れた人「(供養したのは)主人の父。県外から嫁いで来たのでびっくりしました。音が大きいほど供養になるということで、一生懸命投げさせてもらいました。(Q:33年間続ける必要があるが?)きちっと供養させてもらいたいなと思います」

亡くなった人との思い出が浮かんでは消えていく。あの世でどうぞ安らかに。1円玉に願いを込める。