2分で分かる! 風疹予防接種、無料化検討
風疹の流行が収まらない事態を受け、厚生労働省は、患者の多くを占める30代から50代の男性が、原則、無料で予防接種を受けられるよう、早急に検討することを明らかにした。
社会部の庭野めぐみデスクに聞く。
◆風疹の大流行、背景には何が?
国立感染症研究所によると、今月14日までに報告された今年の風疹の患者は2032人。2000人を超えるのは、2013年の大流行以来、5年ぶり。
患者の3分の2は30代から50代の男性で、この世代は、予防接種を1回しか受けていないか、1回も受けていない。
◆男性の感染をいかに防ぐかが大切
現在も自治体によっては、男女両方に風疹の予防接種への費用助成があるが、厚労省は、予防接種を受けていない世代の男性の予防接種を、原則、無料にする対策などを、29日の有識者会議で議論し、今年度の補正予算に、経費を盛り込みたい考え。
◆昔は、子どもの頃にかかる病気という印象があるが…
昔は、子ども時代に風疹になり、自然に体に免疫ができていた。しかし、1977年、つまり今56歳の人が中学生の時から、女子のみを対象に予防接種が始まり、患者が減って、自然に感染し、免疫ができることが少なくなった。それで、十分な免疫がない男女が、「大人になってから」風疹に感染し、職場などで広まるという状態。
◆妊婦が感染すると、赤ちゃんに障害が出る可能性が…
妊娠している女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに難聴や心臓疾患などの障害が起きることがあり、前回の大流行の際は、障害がある赤ちゃんが45人生まれ、そのうち、11人が亡くなった。
感染する場所として、一番多いのが「職場」、次いで「家族」、「コンサート」などとなっている。
妊娠を希望する女性と同居している方はもちろん、家族に妊婦がいない男性も、職場などで人にうつさないよう予防接種を考えていただきたいと思う。