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多様化するシェアリングサービスのいま

2018年11月23日 15:22
多様化するシェアリングサービスのいま

物品を多くの人と共有したり、貸し借りができるシェアリングサービス。実はいま、家電に特化したものや個人でお手軽に出来るものなど多様化してきているんです。


■入居者限定の「お掃除ロボ」

都内にある賃貸マンション。こちらでは、入居者限定で「お掃除ロボット」をシェアできるんです。お掃除ロボットは共用の宅配ロッカーに置いてあり、利用状況を確認して空いていれば無料で使えます。床ふき用(2台)と窓用(1台)の計3台があり、24時間以内に返却すればOKです。でも、なぜお掃除ロボットのシェアリングサービスを始めたのでしょうか?

伊藤忠都市開発・建築技術管理本部IOT推進室の國井雄太郎さん「普段高価で買えないような物をマンション内で貸し出しができたら、すごく便利じゃないか、というのがきっかけになります」

このお掃除ロボットは、1台4万円以上。休日になると、よく利用されているようです。今後は、家電の種類や数を増やす予定だということです。


■「車」のシェアリング 便利だけど注意点も

最近増えているのが使われなくなった個人の資産などを有効活用するシェアリングエコノミーというもの。その代表的なものが「車」のシェアリングサービス。

ディー・エヌ・エー Anyca事業責任者の馬場光さん「Anyca(エニカ)といいまして、個人間のカーシェアのサービスです。一般のお車をお持ちのオーナー様と車に乗りたいドライバー様のマッチングサービスになっております」

このサービスは、アプリに登録後、乗りたい車があったら、持ち主へリクエストを送ります。その後アプリ上で条件を確認し、合意すれば利用できるんです。現在、登録されている車は約700種、6千台以上。中には2000万円以上の高級車も登録されています。今回、利用する男性は――

ドライバー「2回目なんですけど、前回使ったときにすごい楽しい車で、また使いたいなと思って借りました」

一方、車の持ち主は――

オーナー「自分が乗っていない間もシェアすれば、東京は駐車場とかもすごく高いので、お金も浮くかなと思って」

受け渡しの様子を見せてもらいました。2人はお互いの免許証を見せあい、一緒に車体にあるキズを確認。返却するときのトラブルを減らすために、お互いが納得いくまで細かくチェックするんだそうです。また、こちらのサービスは事故に備えシェアするとき保険に加入する事が原則になっています。対人と対物は無制限、車両は300万円まで補償の対象に。

でも、他に気をつけたい事もあります。保険がつくので一安心…ではなく、意外な盲点にご注意を。シェアリングに詳しい康潤碩弁護士(GVA法律事務所)に聞きました。

康潤碩弁護士「事故以外のトラブルとしては1つは盗難ですね。悪臭、タバコの臭い、こういうものがついた場合にユーザー間で何の取り決めもないと、それは責任追及ができないということになります」

盗難は保険の適用外になることがあるそうです。シェアリングサービスは、当事者間の解決が原則。運営会社に頼り切れない面もあるようです。

進化するシェアリングサービス。上手に利用することが大切です。

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ドライバーが交通違反をした場合、違反通知はオーナーに届きます。何かあった場合は、オーナーに報告することを、お互いに確認しておく必要があるんだそうです。