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安倍首相、“米中対立”で難しいかじ取り

2018年11月17日 18:54
安倍首相、“米中対立”で難しいかじ取り

安倍首相は、APEC(=アジア太平洋経済協力会議)が行われるパプアニューギニアに到着した。首脳会議に先立ち、貿易問題でアメリカと中国が対立している。

貿易問題をめぐって、中国の習近平国家主席とアメリカのペンス副大統領が早速、火花を散らせた。両大国の間に入り、安倍首相には難しいかじ取りが求められている。

習近平国家主席「私たちは貿易保護主義、単独主義にははっきり反対すべきである。保護主義、単独主義の古い道を歩んでは、問題解決にならないだけではなくて、世界経済の不確定性を増やすだけである」

ペンス副大統領「中国はとてつもない障害や関税を課し、輸出入の割り当て、技術の強制移転、知的財産権侵害などに関与してきた」

習国家主席がアメリカを念頭に保護主義などを批判したのに対し、ペンス副大統領は、さらに「この地域に独裁主義や侵略の居場所はない」と中国を批判した。さらに17日、インド太平洋に対し、約450億円の支援を行うと表明した。影響力拡大を狙った中国をけん制した形。

ペンス副大統領はすでに安倍首相と「自由なアジア太平洋」構想の実現に向けて、インフラ整備などで連携を強化することで一致している。

一方で、中国の習国家主席は先月の安倍首相との会談で、「自由で公正な貿易体制を発展させること」で合意するなど関係改善を進めている。

安倍首相にとっては、アメリカとの連携強化、そして中国との関係改善、二つの課題を抱えながら、18日の首脳会議に向けて、難しいかじ取りが迫られることになる。