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売り上げ増加 「国産チーズ」人気の理由

2018年11月6日 19:15

チーズといえば、本場はヨーロッパというイメージがあるが、最近は、国産のチーズも負けてはいない。国内のチーズ工房は、ここ数年で大幅に増加、売り上げも伸びているという。人気の背景に、何があるのか。

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東京・吉祥寺にあるチーズ料理の専門店で、人気メニューの一つが、ランプステーキの上にラクレットチーズがたっぷりかかったラクレットグリル・ランプステーキ。使用しているのは、国産のチーズだという。

CHEESE CRAFT WORKS吉祥寺・菅原卓也店長「臭みが少なく、ミルキーさをより感じられるのが特徴です」

チーズそのものの味を楽しめるとあって、幅広いメニューに使用しているという国産チーズ。今、こうした国産チーズの生産が増えているという。

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東京・渋谷にある飲食店では、国産チーズフェアと題したイベントも行われている。

11月6日現在、国産チーズのメニューは3種類。国産チーズの人気が高いことから今回のイベントを開催したという。

楽天株式会社・稲葉大地さん「国産チーズを食べたことがなかった方に関しては、海外産のチーズに比べて、とても食べやすいという感想」

料理を食べた客「チーズの味とソーセージの味がマッチして、おいしいです」

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国内でのチーズの消費量は、3年連続で過去最高を更新するなど高まりを見せているチーズ人気。

国内の酪農家の戸数は、高齢化などの影響で年々減少するなか、チーズを製造するチーズ工房などは、消費量が増加していることなどもあり、5年でおよそ70か所も増えている。

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20種類以上の国産チーズを販売している都内の店に、こうした国産チーズの人気について聞いた。

WINE MARKET PARTY・沼田英之店長「(国産チーズは)2013年、2014年あたりから、当店の取扱量も増えまして、倍以上の販売点数にはなっている」

売り上げも、5年前に比べ、倍以上になっているという。

その理由については…

WINE MARKET PARTY・沼田英之店長「海外のチーズに負けないくらい品質も高くなってきているから、リピーターも多いのかなと」

品質の向上に加え、販売店の近くにチーズ工房が増えたことで、賞味期限が短いフレッシュチーズがより身近になったことも要因の一つだという。

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品質の向上の裏には何があるのだろうか。栃木県那須塩原市にあるチーズ工房を訪ねた。

工房内では、くびれた部分に紐を結びつけ、ぶら下げて熟成させるカチョカバロと呼ばれるチーズや、コクのある味がギュッと詰まった、さけるチーズが作られていた。

この工房では、品質の高い国産チーズを選ぶコンクールで、今年、金賞を受賞したチーズも作られている。注文が殺到し、来月まで出荷できない状態だという。

人気の秘密、それは牛にあるという。

チーズ工房那須の森 落合一彦代表「これがブラウンスイス。チーズによく向いているといわれていて、成分、特にタンパク質が高いのが特徴」

使っているのは、スイス原産の牛・ブラウンスイスからとれる牛乳。一般的なホルスタインに比べ量は少ないものの、タンパク質が含まれる割合が高いため、よりコクのあるチーズができるという。

売り上げも4~5年前に比べ、2.5倍に増えているとのこと。

さらに、こんな理由も…

チーズ工房那須の森 落合一彦代表「例えば、塩味を少し薄めにしたり、お客さまの要望に応えてきたのも、大きなことだと思いますね。それとお客さまの健康志向、安心安全を求めることが大きいと思う」

添加物などを一切使っていないことも、人気の理由ではないかという。

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続々と増える国産チーズ。国産チーズ人気は今後も続きそうだ。