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電力会社の賠償責任 抜本的な改正は見送り

2018年10月31日 21:57

福島第一原発の事故を受け、国は原発で事故が起きた際の電力会社の賠償責任を今の「無限」から「有限」に切りかえるかどうかなど、制度の見直しを検討してきたが、抜本的な改正は見送られた。

福島第一原発の事故では、賠償額が約8兆円に膨らんでいるが、現行の制度では、電力会社の賠償責任に上限がないため電力業界からは「責任を抱えきれない」などとして、制度見直しの声が上がっていた。

これを受けて、国の専門部会は、3年半にわたり、制度の見直しを検討してきたが、「責任に上限を設定すれば電力会社の安全意識が薄れる」「国民の理解が得られない」などの意見が多かったことから、抜本的な改正は見送られることになった。

国は今国会で原子力損害賠償法の改正を目指しているが、現行法の内容が、ほぼ維持される形。