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「新時代の新たな日中関係」日中首脳が一致

2018年10月27日 0:45

26日夜、中国・北京を訪問している安倍首相と習近平国家主席との会談が行われた。現地から取材にあたる菅原記者が伝える。

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一貫して友好ムードをアピールしてきた今回の訪中だが、その総仕上げとなる26日夜の習主席との会談で安倍首相は、非常に率直な言葉で次のように呼びかけた。

安倍首相「日中の新たな時代を習近平主席とともに切り開いていきたいと思います」

習近平国家主席「我々はこの歴史的チャンスをつかみ、中日関係発展の新たな歴史的指針とすべきだ」

今回、日中首脳は、日中関係の発展に向けて「競争から協調へ」転換すること、お互いに「脅威ではなくパートナーになる」こと、そして「自由で公正な貿易体制を発展させること」、この3つの原則を確認し、「新たな時代にふさわしい、新たな日中関係を築いていく」との認識で一致した。

また会談では、安倍首相が習主席の来年の訪日を求め、習主席は「真剣に検討したい」と応じた。

来年6月に大阪で行われるG20サミットに合わせた訪問が検討されている。

さらに、北朝鮮の非核化に向けては、国連安保理決議の完全な履行の重要性を改めて確認。拉致問題について習主席は、「日本の立場を理解し、支持する」と述べたという。

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急に改善したかのように見える中国との関係だが、背景にはアメリカと中国との貿易戦争がある。中国としては、アメリカと親密な関係を築いている日本に接近し、局面を打開したい思惑がある。

26日、日本とともに自由貿易の原則を確認したのは、日本と足並みをそろえて、アメリカをけん制する狙いもあるとみられる。

一方、日本としては、経済分野で協力を進め、北朝鮮問題などで中国の協力を得たいという狙いがある。また、東シナ海をめぐる尖閣諸島やガス田開発の問題でも、中国を動かして、解決に持っていきたいところだ。