皇后さまは、２０日、８４歳の誕生日を迎えられた。天皇陛下の退位まで半年あまりとなった心境を明かされた。

皇后さまは文書で心境を明かされた。天皇陛下と過ごした６０年近い年月について、「新憲法で定められた『象徴』のお立場をいかに生きるかを模索し続ける御姿を見上げつつ過ごした日々を、今深い感慨と共に思い起こしています」とつづり、「陛下には時に厳しく、しかし限りなく優しく寛容にお導き頂きました」と振り返られた。

来年の退位後は、皇太子さまが、陛下と変わらず心を込めて役目を果たすことを「確信している」と述べ、陛下のそばで、「皇太子と皇太子妃が築いてゆく新しい御代の安泰を祈り続けていきたい」とされた。

また、これからも目を向けたい日本や世界の出来事として拉致被害者の問題をあげ、「家族の方たちの気持ちに陰ながら寄り添っていきたい」という気持ちを明かされた。

皇后さまは、陛下がこれから赤坂の恵まれた自然の中で過ごすことに「心の安らぎを覚えている」として、最後となる誕生日の文書回答を、陛下と、残された日々を、「静かに心豊かに過ごしていけるように」という願いで締めくくられた。