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“就活解禁ルール撤廃”で何が変わるか?

2018年10月15日 14:18
“就活解禁ルール撤廃”で何が変わるか?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「大学生の7割 採用日程指針は必要」。理系学生の研究と就活を支援する会社を立ち上げた現役大学生の加茂倫明氏に聞いた。

就職情報サイトを運営する企業が、経団連の採用活動の日程ルール撤廃による、企業・学生の影響に関するアンケートを実施。日程ルールの必要性について、大学生にインターネットで調査した。すると、「ルールは必要」などと答えた学生が、7割を超える結果となった。

ネット上では「予定が立てられなくて困る」「大学1年から就職競争か」という声がある一方で、「自由になったほうが、選択の幅が広がるのでは」という意見もあった。


――加茂さんの意見をお願いします。

僕自身が、いろんな学生や企業の意見を日々聞いているんですが、今回の3月解禁ルール撤廃によって起こる変化をひと言で言うなら『思考停止できなくなる!』ということだと思っています。

今までは3月解禁ルールにのっとって、企業側も学生側も動けば良かったんですが、今回それがなくなることによって、学生側も企業側も自分で情報を取りに行って、自分の頭で考えて動くというのが求められると思います。


――加茂さんは学生側に近い年齢ということで、学生側としてはどう考えますか?

いい面も悪い面もあると思っています。良い面でいうと、情報のリテラシーや積極性が高い学生であれば、早くからいろんな企業のリアルな面を見ることができて、自分でキャリアについて考える機会が得やすいのではないかと思います。

一方で、いろいろな情報を自分で解釈できないような人たちも出てくるとは思っていて、そういう人からすると、今まで以上に悩まされることの多い、就職活動になるのではと思っています。


――一方で企業側としたらどうしたらいいのでしょう。

学生側とも関連するんですけど、より情報戦になってくるなと思っています。各企業がより学生にリーチをしようと、いろんな情報を出してくると思うんです。その中で学生からしても、どこの企業も違いがわからないという状況になってしまいやすいと思うので、企業側は、ナビサイトに載せたらOKとかではなく、より本質的に思考停止せずに、いかに自分たちの会社のリアルを伝えていくか、学生により本質的な会社の良さを知ってもらう機会をどうつくるかなど、そういったところを各企業が自分たちで考えて、採用戦略うっていくのが大事じゃないかと思っています。


■加茂倫明氏(23)プロフィル

現在、東京大学工学部の3年生で2016年に、理系学生の研究と就活を支援する会社を創業。理系の学生を採用したい企業と学生をウェブでつなぐサービスを展開している。企業は研究内容や実績を見て直接スカウトでき、学生は研究と就活を両立できる。また、企業と大学研究者の共同研究のマッチングなども始めている。雑誌「週刊東洋経済」の『2018年版 すごいベンチャー100』に選ばれた。


【the SOCIAL opinionsより】