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就活ルールの廃止は「ぬるま湯の終焉」

2018年10月12日 16:34
就活ルールの廃止は「ぬるま湯の終焉」

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「経団連 採用日程指針 廃止」。日本テレビ経済部の安藤佐和子解説委員に話を聞いた。


経団連は新卒の採用日程の指針を、2021年春入社の採用から廃止することを決定した。今後は政府が主導して、経済界や大学関係者らと採用を含めた雇用慣行の見直しについて議論していく予定だ。


――安藤さん、就職をめぐってだいぶ変化が起きそうですね。どう捉えていますか?

「ぬるま湯の終焉(しゅうえん)」と見ています。

経団連が採用日程を自分たちで作るのをやめましょうと決めた会議があって、そこには大企業のトップら19人が参加していました。これをきっかけに採用日程だけではなく、企業側から大学関係者らに色々な要望が出ました。例えば、学生が就職してからの仕事につながるような教育を大学にして欲しいということなんです。

企業の方も反省として、今まで、うちの会社はこれまで大学でこういうことを勉強してきて欲しいですということを伝えてきませんでした。ですので、これからはどういう人材、どういう勉強をしてきた人を欲しいかということを伝えていこうという意見も出ました。出たといいますか、みなさんそう思っているということなんです。


――確かに大学時代に勉強したことが、就職先でつながっていない人というのは多いですよね。

日本の場合、大学と就職してからがちょっと線が引いてあるというか、そういう傾向が強いと思います。

それと同時に今度、政府の会議で経済界や大学関係者らが加わって採用日程以外にも、4月に大量に新卒を一括採用するいまの制度を見直すことや、元々キャリアがある中途採用を拡大していくにはどうすればいいのかということも話し合うことになっています。

そうしますと「ぬるま湯の終焉」ということになります。

今までは、大学入るまで一生懸命勉強したから、大学に入ったら羽を伸ばして遊んでしまった。それでも大学を卒業すると高い確率で就職ができたというような“ぬるま湯”は終わってしまうということなんですね。

でも考えてみると、私も含めてなんですが社会人になってから学生の時にもっと勉強しておけば良かったなという声はよく聞きますので、こうした変化というのは我々にとっても良いことだと捉えられると思います。

【the SOCIAL opinionsより】