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ノーベル平和賞 ムクウェゲさんら2人

2018年10月5日 18:14

今年のノーベル平和賞が発表され、性暴力の根絶を訴えるアフリカ・コンゴ民主共和国の医師、デニス・ムクウェゲさんと、過激派組織「イスラム国」に人身売買された経験を持つナディア・ムラドさんが選ばれた。

ムクウェゲさんは産婦人科医で63歳。コンゴ民主共和国では1990年代から内戦などで国土が荒廃し、多数の女性が性暴力の被害を受けている。

ムクウェゲさんは性暴力にあった女性の治療に力を注ぎ、2012年には、国連で「16年間で50万人の少女が性暴力の被害にあっている」と訴え、国際社会の支援を求めた。この演説後、武装グループに襲撃されたが、屈することなく医療活動を続けている。

ナディア・ムラドさんはイラク出身で少数派・ヤジディ教徒の25歳。2014年、「イスラム国」に拉致された後、「奴隷」として売り渡され、性暴力を繰り返し受けた。

その後、脱出に成功し、「イスラム国」に拘束されているヤジディ教徒の女性解放や、民族や宗教の少数派の権利保護を求める活動などに取り組み、2016年には「国連親善大使」に任命された。2人は人権擁護の活動に尽力した人に贈られる「サハロフ賞」をそれぞれ受賞している。