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耳栓で音を遮断して参加する会 笑顔広がる

2018年9月25日 15:33
耳栓で音を遮断して参加する会 笑顔広がる

会話禁止、コミュニケーションは「手話と筆談のみ」という交流会がある。その会の名は「ろうちょー会」、どんな会なのだろうか。取材した。

耳が聞こえないろう者と、聞こえる聴者が理解を深める「ろうちょー会」。参加者は耳栓をして音を遮断し、手話や筆談、ジェスチャーでコミュニケーションをとる。それでも参加者の笑顔は絶えない。

例えば自己紹介。こちらは手話だが、天狗のようなポーズで表すのは特技。続いてジェスチャーで特技を伝える。2と3で5。なんだろうか?答えは暗算。さらにジェスチャーをする男性、営業の仕事をしているという。額に親指をあてるポーズ、これは手話でインド人だ。最初は戸惑い気味だった参加者も、時間がたつと相手のメッセージがわかるようになる。

あるろう者の女性がホワイトボードに書いたのは「できるようになろうとは言わないで」。これは、仕事の指示をうまく理解できず失敗した時にかけられた言葉だ。会社では多くの会話から仕事内容を把握していく場面も多いため、音の情報が得られないろう者は仕事についていくだけで精いっぱいだという。

会社側は仕事内容をわかるように伝えているつもりでも、ろう者たちにとっては不十分と感じる場面があり“できるようになろう”という言葉がストレスになってしまったという。

聞こえないことだけでなく、聞こえない世界を知ることが、互いのコミュニケーションに必要なのだという。

参加した男性「わかるようになれば、聞こえない人たちのストレスは軽減するので、そんなことができればいいなと思いました」

ろうちょー会主催者の斉藤裕介さん「学ぶよりも知る。ろう者と聴者が交ざり合うことが当たり前の世界というのが回を重ねるごとに、どんどん広げていければと願っています」

【the SOCIAL lifeより】