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香港~中国の高速鉄道運行開始 警戒の声も

2018年9月23日 19:44

香港と中国を結ぶ初めての高速鉄道が23日、運行を始めた。移動時間が大幅に短縮されるが、駅の一部では中国の法律が適用されることから、警戒する声も上がっている。

香港では、中国南部の広州市とを結ぶ、初の高速鉄道の運行が始まった。移動時間は最短で1時間以上、短縮される。中国政府は、香港と広州などを鉄道や橋でつなぎ、一つの巨大な経済圏として開発する計画。

今回、注目されているのは、「一国二制度」のもと、高度な自治が認められている香港で、駅の一部とはいえ、中国の法律が適用される点。香港の駅に中国側の審査を行うエリアを設けることで、これまで、それぞれで行っていた出入境などの審査を同じ場所で行うことになった。香港政府は「手続きの迅速化」を理由に挙げるが、警戒する声も上がっている。

香港の民主派・陳淑荘議員「入境だけではなく、中国の全法律が香港の駅の税関エリアで適用される。もっと多くの中国司法機関の職員が香港で活動するようになる」

香港市民「香港内に中国の管理区域ができるので、どんな問題が発生するか分からない」

香港の民主派の市民団体は今回の措置について、中国が巧妙に市民を納得させ、反対の声を抑えるようになったとして、香港の自治が形骸化されることに神経をとがらせている。経済的メリットに期待がかかる一方で、中国に対する根強い不信感があるだけに、高速鉄道を巡る市民の懸念は払拭されていない。