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“非独裁”安倍首相はどう実現していくか?

2018年9月21日 15:34
“非独裁”安倍首相はどう実現していくか?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「自民総裁選 安倍首相3選 今後の焦点は?」。日本テレビ政治部・菊池正史デスクに聞いた。

自民党の総裁選挙では、安倍首相が石破元幹事長をおさえ、連続3期目の当選を果たした。ネット上では、「地方票が結構、接戦しているのに驚いた」「これを受け、安倍首相がどうしていくか」「政権を担う素質がある政治家、増えて欲しい」との声があった。


――安倍首相の政権運営の今後のポイントは。

まずは10月2日に行われる予定の内閣改造、それからその前に行われる自民党の人事がどうなるのか、その後は安倍首相が力を入れている憲法改正の議論をどう進めていくのかといったところが焦点になっていくと思います。

その中でキーワードをひとつ挙げるとすれば「ゆりもどし」という言葉です。ようするに、安倍政権は非常に強いリーダーシップを確立したんですね。しかし、その強いリーダーシップで、安倍首相がどんどん物事を決めていくと、そこからこぼれていく意見だとか、反映されない国民の意見、野党の意見というものが出てきます。これを安倍首相がどう取り込んでいくのか、懐の深い政治をどう実現していくのか、というところが、おそらく今回の総裁選でも党員票の結果を見ると、問われているんじゃないかなと思います。

ようするに安倍首相も、安倍首相を支持した議員も“1強”の政治から、ゆりもどしのきっかけにすることができるのか、ということだと思います。

やっぱり我々は、選挙でリーダーを選んでいて、決して独裁者を選んでいるわけではないんですね。リーダーは選ぶけれども、やはり多様な意見を取り込んでもらって、より良い政治をしてもらうというのが多くの国民の希望であると思います。

やはり一部の人が決める政治というのは、やはり間違うことがある。例えば、戦前がそうですが、今の官僚や今の政治家よりも優秀な人たちが物事を決めたにもかかわらず、あの戦争に突入して、300万人の国民が死ぬわけです。だから一部の人間、エリートが決める政治というのは、決して全てが正しいわけじゃない、間違う可能性があると。

では、間違わないためにどうすればいいかということは、やはり多様な意見を反映させていく政治、これが大事なんじゃないのかなと。それを今回、“ゆりもどす”きっかけになるかどうか、そこが大きな焦点になってくるのではと思います。


――今回、石破氏が善戦したことで、安倍首相がそういった人々の意見に耳を貸すことが、今後あるかどうかと?

そうですね。だからこの8割の支持した議員の人たちも、ただ黙って支持しているのではなくて、ちゃんと自分たちの意見を安倍首相に言って、党内の議論をもっと活性化すること、これが求められていることだと思います。


■菊池正史デスク(49)プロフィル
細川政権の時に政治部に配属され、取材に奔走。官邸クラブキャップとして、激動の小泉政権を報道した。選挙報道にも深く切り込み、政治に関する著書もある。


【the SOCIAL opinionsより】