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南北首脳が“革命の聖地”訪問 狙いは?

2018年9月20日 21:17

平壌で行われた北朝鮮と韓国の首脳会談。両首脳は20日、北朝鮮が“革命の聖地”とする山を訪れた。2人でこの場所を訪れた狙いとは。そしてこの会談、肝心のアメリカはどう評価しているのだろうか。

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20日、手をつなぎ、満面の笑みを浮かべる文在寅大統領と金正恩委員長。記念撮影をするこの場所は、朝鮮半島最高峰の白頭山。一行は、ケーブルカーに乗って火口へと降りていく。晴れ渡った青空の下、文大統領がカルデラ湖「天池」の水をくむ姿も。この白頭山、どんな場所なのだろうか。

北朝鮮は、金委員長の祖父・金日成主席がかつて抗日闘争の拠点とした場所で、さらに、金正日総書記の生まれた場所だと説明している。北朝鮮にとって、“革命の聖地”だ。なぜ、文大統領はこの場所を訪れたのだろうか。

今年4月、初の首脳会談後のあいさつでは――

韓国・文在寅大統領「私にはずっと前からかなえられずにいる夢があります。白頭山をトレッキングすることです。金正恩委員長がこの願いを必ず聞いてくれると信じています」

「白頭山に登りたい」と“おねだり”。実は、韓国国民にとっても、白頭山は特別な場所なのだ。ソウルで話を聞いてみると――

ソウル市民「朝鮮民族の魂がこもった山だと思う」「国歌の詞に出てくるし、学校でもすごく神秘的な山だと習った」

韓国国歌を歌ってくれた。

「東海の水が乾き“白頭山”が朽ち果てても~」

国歌にも登場する、朝鮮民族にとっての聖地だという。

白頭山では、こんな会話も交わした。

文大統領「(白頭山に)永遠に登れないかと思ったが、願いがかなった」

北朝鮮・金委員長「これからは多くの南側の人たちが来て白頭山を見るべきだ。南側からすれば、ただ見つめるだけの懐かしい山になっていたのだから」

終始、蜜月ムードの2人。文大統領は、3日間の日程を終え、韓国に戻った。

金委員長は、“お土産”としてマツタケ2トンを韓国側に届けたという。

一方、アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の非核化措置が盛り込まれた南北の合意を評価。ニューヨークでは来週、文大統領がトランプ大統領と会談し、金委員長との会談内容を詳しく説明するものとみられる。アメリカと北朝鮮の対話は再び軌道に乗るのか。活発な外交が繰り広げられることになりそうだ。