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安倍首相が演説 日朝首脳会談実現に意欲

2018年9月12日 16:40

ロシアのウラジオストクを訪問中の安倍首相は12日午後、ロシア政府主催の経済フォーラムで演説し、日朝首脳会談の実現に改めて強い意欲を示した。

安倍首相は、北朝鮮に「融和的」な中国やロシアの首脳を前に、「ぶれない態度で接していくことを確かめあおう」とクギを刺した上で、日朝首脳会談について次のように決意を語った。

安倍首相「私も相互不信という殻を破り、一歩踏み出し、最後は金正恩委員長と向き合わなければならない。現在、日朝首脳会談について決まっていることは何もありませんが、これを行う以上、拉致問題の解決に資する会談としなければならない」

来週には南北首脳会談が控え、2回目の米朝首脳会談に向けた調整も進む中で、日本も直接会談に意欲があることを示しておく、狙いがある。安倍首相はまた、日露関係では、平和条約の締結に向けて「今やらないでいつやるのか」、「我々がやらないで、他の誰がやるのか」と強い意欲を示し、プーチン大統領に協調を呼びかけた。

これに対し、プーチン大統領は平和条約について「前提条件を設けずに年末までに締結しよう」と応じた。その上で領土問題については条約の締結後に「友人として解決を探り続けていく」と述べた。

Q.午前中に行われた中国の習近平国家主席との首脳会談では何か進展はあったのか。

日中首脳の相互訪問に向けた、道筋が見えてきた。会談で両首脳はまず、安倍首相の中国訪問を来月にも実現させる方向で、調整を進めていくことで一致した。また、安倍首相は習主席の日本訪問を呼びかけ、習主席からは「留意する」との発言があったという。

このように日中関係改善の流れが固まってくるなど、今回の訪問では一定の成果は出したと言えそうだ。ただ、同行筋は「どれもまだ入り口に過ぎない」と話していて、厳しい外交交渉はこれからも続く。