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転職が“日常化”してきている?その背景は

2018年9月4日 16:08
転職が“日常化”してきている?その背景は

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「新卒で入社後 すぐに転職希望!?」。「DODA」の編集長・大浦征也氏に話を聞いた。

転職サービスを手がける「DODA」の調査によりますと、今年4月に新卒で入社した社会人1年目の人が、4月のうちに転職サイトに登録した数は、10年前の約30倍に上っていることがわかった。転職に対する意識の変化がうかがえる。


――大浦さん、このデータ、どのように捉えていますか?

“日常化”です。

30倍というデータがありましたが、世の中、全般的に転職活動する人が増えてきまして、社会人全体で見るとあの数字は8倍なんです。ですのでそれと比較しても、30倍という数字は非常に大きな数字であることはわかります。

いくつかの見方があるのですが“日常化”というポイントに触れる前に、新卒の就職活動という部分にフォーカスをあてると有効求人倍率でみれば1.88倍という非常に売り手市場といわれている就活ですが、大手企業だけに限ると、この数字は0.37倍まで落ちます。

つまり昨今、大手を志望する学生が多い中で、大手の企業にはなかなか希望どおり就職できていないという状態のなかで社会人になっているわけです。まず社会人にはなるのですが、すぐにでも転職を考える方がいるのかもしれないです。

ただ“日常化”というのは、それ以上のポイントだと思っています。やはりそういったことを除いたとしても人生100年時代、ひとつの会社に勤め続けるということがなかなか現実味を帯びてきていない状態です。

そんななか、転職というものが“日常的”なものになってきているということだと思います。これまでは非日常的な活動をして、普段着ないようなリクルートスーツを着て、清水の舞台から飛び降りるような覚悟で転職活動ということではなく、ある程度、日常的に情報収集しておきながら、ちょっとした不満があったり、希望どおりの求人に出合ったらカジュアルな気持ちで転職する人が増えてきていると。良くも悪くもそういう日常的な転職活動が常態化してきているということなんだと思います。


――欧米のようですね。

そうですね。ヨーロッパ、アメリカ、中国でも随分、色合いが違いますが日本型の就職活動、転職活動にパラダイムシフトといいますか、常識の変化が起きてきているということなのかもしれません。

【the SOCIAL opinionsより】