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全社員に出社義務なし テレワ極める会社4

2018年8月20日 17:15
全社員に出社義務なし テレワ極める会社4

シックス・アパート株式会社・代表取締役の古賀早氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは、「EBO…出社不要…大胆な発想の秘けつは?」。古賀氏が語る「改革できる会社の素地」とは――


■「面白い」と思ったら実践


――EBO…出社不要、これらの改革を繰り返してきた、大胆な発想の秘けつはどこにあるんでしょうか。

例をあげるとキリがないんですけど、シックス・アパートでは面白いと思ったことをいろいろと実践する文化や雰囲気があります。例えば、このテレワークを始める前なんですけど、どんな企業でも頭を悩ませているであろう「エアコンの寒い暑い問題」というのがありまして、それを我々も抱えていました。

さきほどの100坪のオフィスに、夏になると真ん中にビニールカーテンを引いて、片側はガンガンにエアコンをかけ、もう片側は窓を開けて自然な状態というのをつくったところ、毎年好評でした。暑いと、片方に涼みにくるとかあるんですが、そもそもエンジニアは短パンにTシャツで来たりするので、営業の僕らとはやはり体感温度が違いますよね。そんなことを考えることはできても、やるかやらないかは別だと思うんですね。


■“酸素濃度”を発信する遊び心


現在でも、オフィスの中にセンサーをたくさん埋め込んでおりまして、これは監視するためではなくて、酸素の濃度や明るさ、温度、湿度、オフィスにいる人数などをセンサーでチャットに発信しています。それはオフィスにみんながいないので、オフィスの様子をみんな知りたいというか、なんとなく知って欲しいと。オフィス自身が、「私はいまこういう状態です」というのを発信しているんですね。これもエンジニアが趣味でつくったようなセンサーを置いてやっています。

電気がつくと、光センサーが感知して、自動で環境音楽が流れます。そういう面白いことや日常を楽しむことを非常に大事にする、こういうシックス・アパートの遺伝子が、「EBO」や「全社員テレワーク」のようなことを“やってしまう素地”になっているのかなと思っています。


――みなさん常に忙しいと思うんですが、どうしたらいいかということをそれぞれが考えているということでしょうか。

そうですね。セルフマネジメントとも言いますが、自分で考えて、自分の働きやすさを考えてほしいと思っています。アイデアがあった時に、それが実現するまでに時間がかかると嫌になってしまうかもしれませんが、みんなが「面白いね」といったものには実践ができるので、このあたりが“大それたこと”をやってしまう素地になっているのかなと思います。


■目標は「日本の活性化」


――今後、挑戦してみたい新たな目標は何かありますか。

実は青森県と提携をして、「SAWS@青森」という活動をしています。我々の働き方改革を積極的に情報発信した結果、地方自治体の方からたくさんの問い合わせを受けています。ほとんどが企業誘致課の方です。我々は、優秀なテレワーカーをそこで養成して、人不足の大都市の企業を支援してはいかがでしょうという提案をしているんですが、非常にウケが良いです。

そんな中で青森県と提携ができたんですが、最初はUターン、Iターン、Jターンといった方々にテレワークのノウハウを伝えるというのが目的だったんですが、そこで色々な発展の仕方をしておりまして、先日、青森県の中学生が我々の職場訪問をして、誰もいないオフィスに来て、テレワークの様子を見学してくれました。夏休みには、青森の高校生にウェブサイトの構築方法などのセミナーをやらせていただいて、その高校生たちが、地元の企業のホームページをつくるという、社会実験みたいなことまで発展しています。

いま、青森県もインバウンドで海外からのお客さんがたくさん来ています。ホームページをつくるにしても、スマホに対応してなければならないし、多言語のサイトをつくる必要があります。そういったものを一生懸命つくっているのが我々なので、さきほど話しました「Movable Type」が、青森県で活躍する機会も増えているかなと思っています。

こういった地方創生を実現して日本を活性化するような、そういったことまでチャレンジしていきたいというのが次の目標となっています。