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「除草剤で癌に」320億円支払い命令 米

2018年8月13日 3:05

アメリカ・カリフォルニア州で、がんになった男性が除草剤の製造会社を訴えた裁判で、裁判所は10日、会社に対し日本円にして約320億円を支払うよう命じる評決を出した。

ロイター通信によると、この裁判はカリフォルニア州の学校で校庭の整備をしていた46歳の男性が訴えたもの。男性は、アメリカの大手農薬メーカーモンサントが製造していた除草剤には、「グリホサート」という発がん性の化学物質が含まれており、これを使い続けたことでがんを発症したとしている。

裁判所は10日、「モンサントは、商品にはがんを発症する危険性があると警告することを怠った」として、男性の主張を認め、日本円で約320億円の賠償金を支払うよう命じる評決を出した。

これに対しモンサント側は、「長年の研究で、除草剤に発がんのリスクはなく、健康上問題がないと立証されている」と反論し、上訴する方針だという。

モンサントは今年、ドイツ企業に買収されているが、モンサントの除草剤をめぐっては、健康被害を訴える事例が相次ぎ、これまでもアメリカ全土で約5000件の訴訟が起きている。