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台風接近へ…今できる備え&注意すべき事は

2018年8月8日 18:37
台風接近へ…今できる備え&注意すべき事は

強い台風13号が関東地方に近づいてきているが、私たちができる備えを、防災士でもある「news every.」鈴江奈々キャスターとお伝えする。

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台風は風速25メートル以上の暴風域を伴ったまま8日夜から9日にかけて関東地方に最も接近する予想。これから暗くなり、できる対策は限られるが、改めて注意すべきことを確認したいと思う。

まずは気象庁がさきほど発表した最新の雨や風の予想。9日夕方までの24時間に予想される雨量は、多い所で、関東地方で300ミリ、東北地方で200ミリ、伊豆諸島で150ミリ、甲信地方で120ミリとなっている。

予想される最大瞬間風速は関東地方で50メートル、東北地方で45メートル、伊豆諸島と東海地方で35メートルと非常に強い風が吹く。

波の高さは関東地方と東北地方で10メートル、伊豆諸島で7メートル、東海地方で6メートルと、いずれも災害が起きてもおかしくない危険な予想となっている。

Q:そうすると命を守るために早めに避難をすることが大事になる

その通りで、ここで自治体から住民に出される「避難情報」の意味を確認したいと思う。避難情報は3段階ある。

■3段階の避難情報を再確認

まずは「避難準備・高齢者等避難開始」の情報。高齢者や体の不自由な方など避難の際に時間がかかったり、お手伝いが必要な方々に対して早い段階で避難を始めるよう伝える情報。

そして「避難勧告」。土砂災害など災害によって、人的被害が発生する可能性が高まった場合に出され、避難場所や近くの安全な場所に避難するよう呼びかけている情報。

そして、さらに状況が悪化している場合には「避難指示」が出される。この「避難指示」は緊急に避難を呼びかけるもの。

Q:西日本豪雨では「避難勧告」や「避難指示」が出た時にはすでに避難が難しくなっていたケースもあった

その通りで、こうした避難情報は自治体の判断によって出されるが、これまでの災害では判断が遅れて、すでに災害が発生した後に避難情報が出たケースもある。だからこそ避難情報が出されていなくても身の危険を感じたら逃げられるうちにちゅうちょすることなく安全な場所に避難することが大切だ。

8日午後5時現在、すでに千葉県の茂原市、いすみ市に「避難勧告」が、千葉県や茨城県の一部市町村では「避難準備・高齢者等避難開始」の情報が出されているので、最新の情報に注意して、大丈夫だと思わずに明るいうちに避難して欲しい。

そして台風の最接近まで多くの時間は残されていないが、この時間に注意すべきポイントを防災の専門家である危機管理教育研究所代表の国崎信江さんに聞いた。

■注意すべき4つのポイント

ポイントは4つある。まずは「早めの帰宅、夜外出を控える」。これはまだ帰宅していない家族やお子さんにも伝えて欲しい。不要な外出は控えて欲しいのだが、特に暗くなってから車で移動するのも危険だ。夜は波の高さが分からないので、車で沿岸を走らないことが大切だという。

実際に先月、台風12号では暗くなってから、神奈川県小田原市で高波によってパトカーや救急車も巻き込まれ、立ち往生してしまった。

そして注意すべきポイント2つめは「ハザードマップで浸水や土砂災害の危険がある地域かチェック」。

Q:ハザードマップは今から確認することはできるのか?

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、自宅の住所を入れることでどのような被害想定があるのか確認できる。これから夜なので土砂災害や浸水の危険のある地域にいる方々は、早めに安全な場所や避難所に避難することを心がけて欲しい。

そして3つめのポイントは寝る場所を考えること。浸水の恐れがある地域では、戸建てに住んでいる方は、建物の2階、そして、土砂災害の危険がある地域では山と反対側の部屋で寝るなどの対策をとっていただきたい。

そして4つめのポイントが「声をかけあう」。隣近所と何か異常を感じたら連絡し合おうと会話することが大事だ。

国崎先生によると、西日本豪雨の被災地でも近所の人や家族の呼びかけで救われた命もあったという。近所付き合いがあまりない、という方だったら、ご家族とママ友など友人同士と連絡をとりあい、身近に感じた危険を知らせ合うことが身を守ることにつながる。

この数時間でもできること、命を守るためにできることがある。台風は8日夜から9日昼前にかけて関東地方に接近し、上陸する恐れもある。今一度、周りの人と声をかけあって台風に備えて欲しい。