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これからの日本は難民とどう向き合うべき?

2018年8月6日 17:10
これからの日本は難民とどう向き合うべき?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「世界の難民が過去最高 日本はどう向き合う?」。日本にいる難民が第2の人生を築ける仕組み作りをしているNPO法人“ウェルジー”代表・渡部清花氏に聞く。

国連難民高等弁務官事務所は、国外への難民や、国内避難民などが2017年末時点で過去最高の6850万人になったと発表した。

法務省の入国管理局によると、2017年、日本への難民認定申請数は1万9629人で、前年に比べて約8割増加。一方、難民と認定された人は20人にとどまっている。ネット上ではこんな声があがった。

「難民を受け入れても日本で生活は難しい」
「真面目な難民を受け入れるのは良い」
「支援はいいけど難民受け入れはやめて」


――渡部さんに、この話題についてコメントをいただきます。フリップをお願いします。

「逆境パッション!」。難民の人たちが共通して持つ彼らの気持ち、心持ち、パッションのことを、私たちはこう呼んでいます。

彼らが逆境を乗り越えてきたからこそ持っている、夢や志、包容力や優しさ、それから未来を描く力や人の声に耳を傾ける…そういった“諦めない精神・創造力”を持っています。

ウェルジーには国籍や文化の違いをこえて、日本人スタッフだけではなく難民当事者であるインターナショナルなメンバーが、常に活動に参加しています。

それぞれの国でもともと持っていたプロフェッションや専門性、働くことに対する意欲が日本の中でどういきるか――日本がもっとおもしろくなるためにも、どんな接続点があるのかということを常に探っています。

彼らが持っている逆境パッションを、「難民かわいそう」の前に知ってもらいたいと思ってこれを書きました。


――まず知ることが第1歩となるわけですけれども、その中でこの逆境パッションをいかすために、ウェルジー、渡部さんはどういう活動をされているのでしょうか?

まず、彼らひとりひとりが持つ、もともと頑張っていたことや経験、スキル、情熱というものを、たまたま逃れてきた先で出会った私たち含めた日本人、つまり社会側がどう発掘できるかというのが大きなカギなんです。

生活する、人とつながる、働くというのは、やっぱりそこに相手がいることです。そのコミュニティーの中でどう生きていくかということなので、一方的な支援ではなく、彼らと一緒に、どうやってもっとクリエーティブでダイバーシティをいかされる日本を作れるのかということを考えつつも、やっぱり日本という立場で、これからの政策がどうなっていくべきか、これから日本人側が多様化していく世界にどう向き合っていけるのかという、2つの視点を持ちながら社会に発信し続けるということも同時に行っています。


■渡部清花氏プロフィル
NPO法人“ウェルジー”代表。大学時代にバングラデシュの紛争地にてNGOの駐在員を務め、国連開発計画でインターンとして平和構築プロジェクトに携わった。現在は、日本にいる難民が自分の経験や能力、意欲をいかした仕事を通じて、日本で第2の人生を築ける仕組み作りをしている。


【the SOCIAL opinionsより】