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焼いたウナギで190人が食中毒に…なぜ?

2018年8月1日 20:34
焼いたウナギで190人が食中毒に…なぜ?

愛媛・今治市で販売された「うなぎのかば焼き」などが原因で、集団食中毒が起きていたことがわかった。確認された患者は190人以上にのぼる。火を通した「うなぎのかば焼き」で、なぜ食中毒は起きたのだろうか。

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7月31日午後、愛媛・松山市で、県の漁業協同組合連合会が緊急会見を開いた。

愛媛県漁連「うなぎ製品、約1300食を購入され、実食された多数のお客様から、嘔吐(おうと)、下痢、発熱の症状を訴え、入院治療を必要とする集団食中毒が発生をいたしました」

今治市にある産直市。県漁連の子会社が運営する鮮魚コーナーで先月20~22日の間に、うなぎのかば焼きやうな重などを購入した人から、集団食中毒が発生した。

愛媛県漁連「保健所の検査結果は、うなぎによるサルモネラ菌の交差汚染によるものと診断をされました。被害者の皆様に心より謝罪を申し上げます」

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原因は、うなぎに付着していたサルモネラ菌。発症は194人にものぼり、そのうち23人が入院。3歳の男の子が一時重症になったという。一体、どのようにして、サルモネラ菌が蔓延したのだろうか?

販売店は、既にさばかれたうなぎを仕入れた後、白焼きとかば焼きの調理をしていたという。白焼きとかば焼きの調理場は、並んでいたという販売店。

県漁連は、生のうなぎを白焼きにする担当者が、生のうなぎを触った後に焼いた後のうなぎを触って菌が移ったり、生のうなぎを扱う人と他の人が使用した手袋を同じ水で洗うなどで、サルモネラ菌に汚染された疑いがあるとみている。

手や水を介したサルモネラ菌の汚染の可能性。都内のうなぎ専門店では、開店前にうなぎをさばいて白焼きの状態にしておくなど、客に提供する際の生のうなぎへの接触には、気をつけているという。

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夏に向けて、増加傾向にあるという食中毒。厚労省の調査によると、ことし1月~8月1日までで、サルモネラ菌やアニサキスなどによる食中毒が442件、患者数は5675人にのぼるという。

東京都健康安全研究センター食品医薬品情報担当・小川正課長「(サルモネラ菌は)うなぎやすっぽんなどのようなもの、水の中に住んでいる生き物からも検出されることがあります。少量で感染し(食中毒が)発生することがわかってきました。夏から秋にかけては、室温が上がるために増殖しやすい」

食中毒の危険性が増すこの時期。生肉や魚など、生もの食品を触った際は、手や調理用具などを十分に洗浄することと、食品の十分な加熱が必要だという。