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自民・岸田政調会長 総裁選出馬断念を表明

2018年7月24日 17:52
自民・岸田政調会長 総裁選出馬断念を表明

22日に通常国会も閉会し、政界の焦点が自民党の総裁選挙に移る中、有力な候補者と目されていた岸田政調会長が立候補の断念を表明した。

岸田氏は断念の理由について、北朝鮮問題をはじめとする外交、そして、西日本豪雨への対応など課題が山積していることから首相がリーダーシップを発揮できる環境を整えるべきだとして、安倍首相の3選を支持する考えを示した。

「今回の自民党総裁選挙には出馬することはせず、安倍総理中心に今申し上げたような様々な政治課題に取り組んでいく、そうした取り組みに貢献をしていく、これが適切なその対応ではないか」――岸田氏は会見でこのように断念の理由を説明したが、一方で、判断の背景には出馬したとしても厳しい状況が予想されたこともあった。

現職である安倍首相は圧倒的に優勢で、出馬に意欲を見せる石破元幹事長に対しても自民党員の票では及ばないとみられていた。安倍首相はともかく、2位になれるかも見通せない状況で岸田派内にも「3位だったらポスト安倍として終わってしまう」との声もあがっていた。こうした情勢も踏まえて出馬断念を決めたものとみられる。

■なぜ、このタイミングでの出馬断念となったのだろうか?

安倍首相優位の構図が固まりつつある中、安倍首相支持の流れに乗り遅れたくないとの判断があったとみられる。一方で、すでに麻生派も二階派も安倍首相3選支持を表明していることから、ある自民党幹部は「今さら、安倍さんを支持と言っても遅い」と突き放している。

ここまで判断がずれこんだのには岸田派内にも出馬を求める声があっただけに、早々に戦う姿勢を放棄してはリーダーシップを示せないという事情もあった。

もう1人、出馬に意欲を示す野田総務相は立候補に必要な推薦人を集められるか不透明。総裁選の構図は安倍首相と石破氏の「一騎打ち」となる公算も出ている。