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「2025年万博を大阪へ」NYで誘致活動

2018年7月20日 18:07
「2025年万博を大阪へ」NYで誘致活動

2025年に開かれる万博の開催地の決定まで、あと4か月。日本からは大阪が名乗りをあげているが、アメリカ・ニューヨークの国連を舞台に今週、誘致活動が行われた。


■千載一遇のチャンス

今月16日、国連本部があるニューヨークに大阪市の吉村洋文市長の姿があった。

吉村市長「万博のPRに絶好だと思うのでしっかりやってきます」

大阪市が誘致を目指す2025年の万博。ICT(情報通信技術)を医療や健康などに活用して、人々に豊かさをもたらす社会の実現を目指し、国連が定めた「持続可能な開発目標にも貢献できる」としている。

その大阪のライバル都市は、ロシアの「エカテリンブルク」とアゼルバイジャンの「バクー」。いずれも産油国で、豊富なオイルマネーを誇る強力なライバルだ。開催地は11月に世界170か国の投票で決まるため、今は、まさに誘致合戦のラストスパートになっている。

こうした中、日本政府はニューヨークの国連本部で万博誘致のイベントを開催。数十か国の外交官らが集まるため、誘致への協力をとりつける千載一遇のチャンスになる。

吉村市長「私たちは人類の発展と世界の諸問題解決のための創造的な万博を主催できます」


■ピカチュウも登場、あの手この手の誘致活動

「万博2025を大阪にもってくるきっかけを実務的に貢献できることをやっていきたい」――大阪府庁で6日にこう語っていたのは、本田圭佑選手。大阪市は、世界に名が知られたサッカー日本代表で大阪出身の本田圭佑選手を特使に任命してPRしていた。

さらに今回、ニューヨークに、とっておきの特使を呼び寄せていた。

司会「ウェルカム、ピカチュウ」

観客からは歓声があがる。世界的に知名度の高いゲーム「ポケットモンスター」の人気キャラクター「ピカチュウ」。子どもたちに囲まれたり、多くの人からスマートフォンで撮影されるなど、会場は、この日一番の盛り上がりを見せた。

PRを終え、各国の外交官と精力的に話す吉村市長。外交官と名刺交換をして、大阪への支持を訴える。EU国連代表部幹部は――

「興味深いイベントで、大阪にとって素晴らしい機会だと思います」

一方、敵情視察だろうか、会場にはライバル国・アゼルバイジャンの国連大使の姿も――

アリエフ国連大使「彼(吉村市長)はとても若く、自分の都市に誇りを持っているね。我々の市も準備がうまく進んでいます」


■水面下…“投票迷う国”に根回しも

翌日は一転、水面下での誘致活動となった。

吉村市長「きょうは複数の国と個別に会談しようと思っています」

個別の会談は相手の国や会う場所なども非公開で行われる。NNN取材団のカメラがとらえたのは――

カメラマン「大阪の吉村市長です。今、国連内で会談をしています」

水面下で個別の会談を行う吉村市長。今回のアメリカ訪問では、投票先を迷っている7か国に働きかけを行い、「応援する」という言葉を引き出した国もあったという。

吉村市長「大阪・関西の魅力、日本の魅力を発信する上でも、万博は重要だと思っています。必ず勝ちたいと思います」

運命の投票まで残り4か月、水面下の誘致活動は投票の直前まで続く。