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「プロボノ」とは?企業が後押しする事例も

2018年7月18日 15:30
「プロボノ」とは?企業が後押しする事例も

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「社会貢献活動『プロボノ』とは」。日本テレビ・経済部の鈴木あづさデスクに話を聞いた。

「プロボノ」は、様々な分野で働いている人が仕事の経験やスキルを生かして、NPOや社会福祉法人、町内会などの団体の活動を無償でサポートするボランティアのことだ。

大和ネクスト銀行が全国の15歳~69歳の男女1000人を対象に行った調査では、社会貢献活動のうち「プロボノ」の関心度は45.7%で調査前の予想を上回る関心の高さだったということです。


――日本でもプロボノへの関心が高まっているようですね。

そうですね。そこできょうのキーワードは「アフター5の“新定番”」です。

私には6歳の子どもがおりまして、一緒に公園のゴミ掃除をしたり、高齢者施設でお話ボランティアをしています。

実はこれ、始める前に登録が必要であったり、休日を丸一日使うことになったりと、なかなかアフター5に気軽に、というわけにはいかないんです。そんなとき、仕事で培った知識や経験を生かしてできないかなと探していたときに出会ったのが「プロボノ」なんです。

いま実は、会社が後押しする事例も増えていて、例えばプリンターなどで有名なメーカーのブラザー工業では、6年前に社員がNPOや社会起業家を支援するボランティア「プロボノプログラム」というものを始めました。

いまモニターに映っているのはブラザー工業のエンジニア・杉村さんです。この杉村さんは障害者が作った非常食の缶入りのパンを自治体に売りこむという作業をお手伝いしました。体験した杉村さんは大企業にはない即断即決の経営を体験できて、大変勉強になったし視野が広がったと話しています。

会社にとっても、社員がきめ細かい現場の感覚を肌で感じたり、社会課題を見つけてそれを解決していく力を高めることで、新しいビジネスの発案につながることを期待しているそうです。

これまでにブラザー工業では約20人がそれぞれ違うNPOや社会起業家を支援していてかなり広がっています。


――与えるばかりではなく、自分のスキルアップにもつながるということですよね。

そうなんです。“Win-Winの関係”ということですよね。さらにブラザー工業の部品を作っている部署の方が岐阜の下駄職人さんに、1日に下駄を何足作ると原材料と見合うかなど生産体制を見直すお手伝いをしたケースもあります。まさに職歴を生かした活動ですよね。


――日本でも広がりつつはありますが、社員の社会貢献を促すために企業がもっと後押しすれば、さらにこのプロボノは広がりそうですよね。

最近ではアンテナを高く張って、社外の勉強会に出る方が増えていると思うのですが、そういった感覚でプロボノに参加する人も増えていて、プロボノに参加したい方とボランティアに来てほしいNPOをつなぐ団体もあります。

こうしたところを利用して「大人の社会科見学」の気分で自分の職歴を生かしたボランティアに参加してみるのもいいかもしれません。

【the SOCIAL opinionsより】