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「丑の日」前なのに…国産の鰻が売れない?

2018年7月16日 20:21
「丑の日」前なのに…国産の鰻が売れない?

暑い時期の栄養源、鰻(うなぎ)。今月20日の「土用の丑(うし)の日」を前に需要が高まる時期だが、やはり値上がりの傾向があるようだ。背景にあるのは稚魚の記録的な不漁。ところが、鰻の産地では今年、ある“異変”が起きていた――

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古くからスタミナ料理として愛されてきた夏の風物詩、鰻。しかし、稚魚のシラス鰻の記録的な不漁で高値が続く。1キロあたりの平均価格は今年5月時点で5378円と、過去5年間の平均価格と比べると1000円近く高くなっている。

「丑の日」の本番を前に、鰻需要がさらに過熱すると思いきや、国内有数の産地では、今年“異常事態”が起きていた。

宮崎県の鰻養殖業者「全然売れなくて出荷待ちの鰻がたくさんあります」

7月は1年で最も鰻が売れる時期だというが、今年は買い手がつかずに余っているという。

大森淡水・大森龍太郎副社長「輸入鰻が急増していて国産鰻の需要が食われているという形」

国産よりも値段の安い外国産の鰻に押され、出荷量は例年の半分ほど。このまま注文数が伸びなければ値段を落として販売せざるをえず、経営が圧迫されるという。

16日、さいたま市内のスーパーでは、鹿児島産の鰻が1690円(税抜き)、中国産のものは999円(同)で売られていた。

ロヂャース浦和店・津久井誠さん「大きさも国産鰻に比べて中国産は非常に大きいので、中国産を選ばれる方も多い」

津久井さんは、さすがに「丑の日」当日に限っては、イベント事ということもあり国産の良いものを購入する客が多いと話すが、価格で輸入ものに押される国産鰻。「丑の日」に向け出荷量の増大を望む産地の願いはかなうのだろうか。