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救出劇のウラで何が?一時意識失った少年も

2018年7月11日 18:39

タイ北部の洞窟に閉じ込められていた少年ら13人は、10日までに全員が救出された。ただ、最後に救出された2人の少年は、洞窟を出た直後に一時、意識を失ったという。“救出劇”のウラで何があったのだろうか?

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■「おめでとう!」祝福の声が世界各地から

11日朝、少年らが入院する病院の外では、近所の小学生たちがエールを送っていた。

近所の小学生「ありがとうございます!長い間、待っていました!頑張れ、頑張れ!」

喜びに沸いた「奇跡の救出劇」から一夜。祝福の声は世界中から届いている。アメリカのトランプ大統領は、ツイッターに「アメリカを代表して、おめでとう。全員救出、よくやった!」と投稿した。

また、少年の一部がファンだというイギリスのマンチェスター・ユナイテッドや、スペインのバルセロナなど、サッカー強豪クラブが相次いで少年らを試合に招待した。


■過酷な救出活動…直後に意識を失った少年も

気になる少年たちの体調について、11日、病院は会見を開いた。

病院の担当者「早ければ、だいたい7日間で退院できます」

少年らは、平均で2キロほど体重が落ちていたということだが、体調は回復傾向にあるという。ただ、私たちの取材で、“ある事実”が明らかになった。10日、最後に救出された5人のうち、2人の少年が一時、意識を失っていたことが分かった。関係者によると、少年2人が意識を失ったのは、洞窟を出た直後だという。

洞窟内は最後まで水位が高い場所があり、潜水が必要な状態だった。そこで、少年らは前後をダイバーに守られる形で、不慣れなダイビングをすることになった。その距離は2.5キロ以上に及んだという。少年2人は病院で意識を取り戻したが、救出活動がいかに過酷だったのか、その実態が浮き彫りとなった形。


■少年を率いたコーチの責任を問う声は?

また、13人のうち最後に助けられたのは、25歳のコーチだった。地元メディアによると、コーチは過去8年間、出家した経験があり、洞窟内では少年らに“瞑想”を指導。冷静に過ごすよう努めた。

ただ、実は少年らはコーチの誘いで洞窟内に入ったとみられている。コーチの責任を問う声も高まりそうだが、現地では、タイの“寛容なお国柄”からか、メディアを含めて批判的な論調はほとんどない。

女性市民「彼を誇りに思う。いい教訓となるので、彼に罪はありません」

男性市民「コーチ、これからも頑張ってください」

一連の救出活動では、途中、ダイバーが1人、命を落とした。地元メディアによると、亡くなったダイバーへの供養の意味も含めて、少年らは回復した後、9日間の出家をする予定だという。