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漁獲量減る「サンマ」“中国の需要”増で…

2018年7月4日 19:15

日本の味覚、サンマ。漁獲量が減り、去年は実に、およそ50年ぶりの不漁となった。背景にあるのが、急激な、中国のサンマ需要の高まり。現地取材をすると、意外な中国のサンマ事情が見えてきた。

こんがりとした焼き目に滴り落ちる脂…。

人気メニューの一つ、サンマの塩焼き。この店では現在、去年の旬の時期に水揚げされ、脂がのった北海道産のサンマを提供。ところが仕入れ業者からの要望もあり、先月から仕入れ値を2割ほど上げたという。

駒八目黒さんまセンター・小野澤雅丈調理長「もう不安だらけですよ、毎日。お客さんに迷惑かけちゃうからね、値段上げちゃうと」

実は、日本でのサンマの漁獲量は10年前に比べて7割以上減少。去年はおよそ50年ぶりの不漁となった。

こうした中、3日、都内では北太平洋のサンマの資源管理を話し合う国際会議が開かれた。

会議にはロシア、中国、台湾など、8つの国と地域が参加し、サンマの漁獲量をどのように管理していくのかが話し合われている。

サンマの漁獲量が減る背景にあるのが、中国などでの急激な需要の高まり。

中国の飲食店を取材すると、運ばれてきたのはサンマの塩焼きと鉄板焼き。

客「日本料理はすごく好きです。日本にも2回遊びに行きましたよ」

客「1週間くらいで日本料理を食べたくなります。サンマの塩焼きが好きです」

日本食が人気になっていることも、サンマの需要が高まっている理由の一つだという。

さらに、中国ではインターネットを使って気軽にサンマが注文できるという。

買い物のアプリを開いて“サンマ”を検索すると、丸ごとのサンマや加工した物までずらりと並ぶ。

試しに、冷凍のサンマを注文してみると、1時間たたずにサンマが到着。4匹でおよそ400円。

いまや日常的にサンマを食べるようになった中国。サンマの漁獲量はここ5年で24倍に急増しているという。

こうしたことを背景に、日本は3日から行われている国際会議で、北太平洋の公海上での漁獲量を規制することを提案。しかし中国は「サンマは減っていない」と主張していて、交渉は難航することが予想されている。

9月には本格的な旬を迎えるサンマ。食卓への影響が懸念される。