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大事なのは、社長も社員も積極的に絡むこと

2018年6月28日 16:42
大事なのは、社長も社員も積極的に絡むこと

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「会社の方向性 理解していますか?」。ベンチャー企業のコンサルタントなどを行っているプロトスター代表取締役COO・山口豪志氏に聞く。

組織マネジメントを行っている会社が全国の会社員に行った意識調査によると、「経営者の考えている方向性を理解しているか」という質問に対し、33.6%が「理解している」という結果だった。一方で、28.2%が「理解していない」という結果となった。ネット上ではこんな声が挙がった。

「ちゃんと理解しないと事業もうまくいかない」
「社長をしているが、なかなか理解してくれない」
「経営の神様・松下幸之助みたいな人がいれば」


――山口さんに、この話題についてのご意見をフリップに書いていただきました。お願いします。

「社長は偉くない!!」。独立して5年くらいたつんですけど、僕もクックパッドやランサーズなどで8年くらい会社員をしていました。

社長って、社長室があったり秘書がいたりとすごそうじゃないですか。社長と社員にはすごく溝がある感じがするんですけれども、自分で会社をやって社員が一緒に働いてくれて思ったのは、社長は偉そうに振る舞いたいわけではないんですよ。気持ちは社員というか。うまくしゃべれないだけで、基本的には社員ともっとランチに行ったりお茶をしたいと思っているんですけど、なかなか社長は誘いにくい。

例えば、10人社員がいてAさんばかりを誘っていると、「Aさんをひいきしているじゃないですか」みたいになる。じゃあみんな平等にというのも、人間だからこれがまた難しいんですね。そのへんを意識すると、そもそも行かない方がいいかとなって、経営者は自分で自分を規制しちゃうんですよね。

僕はこの「理解している」割合の数字を見たときに、多いなと思ったんですよ。3人に1人は経営者が何を考えているか、どういう方向性か理解しているって、結構多いと思うんですね。

3人に1人が理解しているって、素晴らしくないですか?アメリカや中国など、世界で同じような質問をしたら、何人が同じ回答をするんでしょうね。会社の方向性を理解して、経営者の意向に沿って動ける人が3人に1人いるって、めちゃくちゃいいと思うんです。

僕らがやっているベンチャー企業なんかは人数が少ないですし、社長と社員が朝まで一緒に…なんなら寝るところまで一緒くらいの感じでやっている人が多いので、それは理解できます。

会社がある程度大きくなってきたら、“1on1”という、1対1で社長さんとミーティングしたりする合宿をやったりするんですけれども、そういう活動を怠らずにやっていくこと。

松下幸之助みたいな方が求められるという意見がありますが、松下幸之助が晩年に一番やった仕事は、自分の本社に販売会社の方々がバスで来たときに、ご自身でバスの受付をされていたんです。お見送りも自分がやっていたといいます。

それぐらいやって、自分をどんどん出していくとか、接点をどんどん作る。政治家ではないんですけど、握手するみたいなことって結構大事だったりするので、そういう人間的なコミュニケーションはめちゃくちゃ大事だと思います。

経営者はもちろん、社員も経営者を怖がらずに積極的に絡めば、よりいい会社や組織が増えると思います。


――経営の神様も、コミュニケーションを一番大事にしていたということですね。


■山口豪志氏プロフィル
ベンチャー企業のコンサルタントなどを行う。クックパッドやランサーズなどで初期メンバーとして活躍。両社の成長を支えたのち、コンサルタントに転身。現在は、ベンチャー企業成長のため、営業や広報の支援を行っている。


【the SOCIAL opinionsより】