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日本の生地を世界に 中小メーカーの挑戦

2018年6月25日 16:26
日本の生地を世界に 中小メーカーの挑戦

今回のゲストは、繊維・樹脂メーカー「三星グループ」の代表・岩田真吾氏。1887年に創業した地方の中小素材メーカーの五代目として、国内外のファッションブランドに素材の風合いを生かした生地を提供しているほか、自社ブランドの立ち上げや海外展開など新しいチャレンジをしている。

――岩田さん、伝統産業の中での新しいチャレンジということですが、具体的にどんな取り組みをしているのでしょうか?

もともとは日本のアパレルブランドに生地を提供する仕事をしていました。しかし日本の物づくりというのはいいところがありますので、5年くらい前からパリのプルミエール・ビジョンという展示会に商社に任せるのではなく、自分たちメーカーが生地を持って行き、ヨーロッパのブランドに直接、生地を提供するということをやっています。

その中でひとつうれしかったのが、イタリアのエルメネジルド・ゼニアというブランドが、日本のクラフトマンシップにすごく注目したコレクションを出したときに、我々の生地を選んでくれて名前もバーンと出してくれました。そのようなカタチで国内だけで閉じていたものを海外にも展開するようになりました。

あと服作りのなかで布の占める比率というのはそんなに高くなかったので、良いものをもっと手軽に色々な使い手、消費者のみなさんに使ってもらえる機会ができたらいいなと思っておりました。

一番、布の感触を感じられるのは何かなと思ったときにストールがひとつの手段じゃないかなと思いまして、“MITSUBOSHI”という名前で自社のブランドを立ち上げて、ストールを伊勢丹さんなど色々な百貨店に展開するというようなこともやっております。

――確かに、すごく肌に触れるものですけど意外と素材のことは知らないなと思いますね。

昨年「インスタ映え」という言葉もはやり、見た目というのも大きいのですが、実は服は着ているので感触も重要な要素かなと思っています。

昨年はクラウドファンディングをチャレンジさせていただき、代官山に自社の店舗をつくりまして布の触り方や、どのように「風合い」を感じるのかを、直接、私たち生地メーカーが使い手のみなさん、一般のお客様に伝えられる場所もつくり、頑張ってやっています。

――足を運んでくれる人が増えるといいですね。

【the SOCIAL guestより】