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ロングセラー商品も 濃い味ブームの背景は

2018年6月14日 18:31
ロングセラー商品も 濃い味ブームの背景は

クリームチーズやビーフカレー、そして、ロングセラーの商品にも。今、様々な「濃い」味の食品が人気となっている。メーカーも材料を変更したり割合を変えたりあの手この手。「濃い」味がブームとなっている背景には何があるのだろうか。

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100円の商品を多く扱うこちらのお店。4月からヒット商品となっているのが「濃い味 クリームチーズ」(100円・税別)。以前、「濃い」を売りにしたクリームチーズのケーキを販売したところ、6日間で20万個売れるほど好評だったため、今年は「より濃い味」の商品を販売。酸味が少なく濃厚な味のチーズに変えたという。その味は?

記者「ずっしりとした舌触りでチーズのうま味を強く感じることができる」

さらに、ソースを煮詰めることで濃厚な味わいにした「濃い味チーズカレー」(100円・税別)も人気商品。

ローソンストア100 商品本部デイリー部・近藤正巳部長「“濃い味”というキーワードというのは、非常にお客様に高評価いただけるかなと思っております。味のメリハリというところは非常にお客様敏感になっていますので」

■味の濃さが7段階のものも

「ななや青山店」(東京・渋谷区)でお客さんが次々と購入していくのは、濃い味の抹茶のジェラート。

お客さん「すごい濃い!」「おいしい」「こんなに濃い味の抹茶アイス食べたことなかったのでおいしいです」

抹茶の分量を増やすごとに味は濃くなり、7段階ある。一番人気は最高級の抹茶を使用した最も濃い味。一番味が薄い「藤枝ジェラート」(370円)と、濃い抹茶「藤枝ジェラートプレミアム」(500円)を比べると、色の違いがよくわかる。食べ比べしてみると…。

記者「さっぱりした抹茶の味です」

一方、濃い味の抹茶は。

記者「んん!すごい濃厚な味が口いっぱいに広がる。お茶の葉を食べているような感じですね」

お客さんは、濃さの違いを楽しんでいた。

■発売から42年、あのロングセラー商品も

「日清焼そばU.F.O.」(希望小売価格180円・税別)は今年3月、濃い味を打ち出すために、パッケージを一新した。パッケージには「濃い濃いソース」と書いてある。味そのものは変えていないが、豚肉を炒めたうま味がつまった濃厚ソースを最大限PRする狙いがあり、売り上げも順調だという。

「明星一平ちゃん 夜店の焼そば」(希望小売価格180円・税別)は3月に、マヨネーズの卵黄の割合を増やし、味を濃く改良。なぜ今、味の濃い食品がブームとなっているのだろうか?

メーカーなどの食品の味を調査する専門家は――

味香り戦略研究所・高橋貴洋さん「好景気になってくると(メーカーは)素材にお金をかけることができるので素材の良い、プレミアム感を出した素材の濃さがいきていく商品が多い」

景気の回復で、メーカーが素材にこだわった“濃い商品”を開発。消費者は満足感を得やすいことなどから、ブームになっているという。

アサヒ飲料は今年3月に“プレミアム感”を意識した「濃いめのカルピス」(希望小売価格140円・税別)をリニューアル。通常のカルピスウォーターよりも乳成分は2倍に。甘さをひきたてるため、塩を加え、濃い味ながらもさわやかな風味にしたという。通常のカルピスウォーターと比べるとやや色も濃いが、味の違いは?

記者「断然濃厚ですね。乳製品のコクも感じます」

アサヒグループホールディングス 広報部門・當麻剛大副課長「濃いめのカルピスでより多くのお客様にぜいたくな気持ちを味わっていただいて、くつろぎのシーンでお楽しみいただきたい」

濃いブームは、さらなる広がりをみせるのだろうか。