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北朝鮮の非核化交渉“出だしから難航”か

2018年6月13日 23:48

米朝首脳会談では「北朝鮮が完全な非核化に向けて取り組む」ことで合意したが、具体的な手法などは今後の協議に先送りされた。北朝鮮の核問題に詳しい専門家は、交渉は出だしから難航するとの見通しを示した。

かつて北朝鮮で軽水炉建設を進めていたKEDO(=朝鮮半島エネルギー開発機構)の元安全担当部長で、北朝鮮に50回以上渡航した黒木昭弘氏。今後、行われる米朝間での交渉は冒頭から難航する可能性があると指摘する。

日本エネルギー経済研究所・黒木昭弘常務理事「核兵器を何個持っているとか、プルトニウムを何キロ持っているとか、どの範囲までの申告を北朝鮮に義務として負わせるか決めてもらう。特にもめると思われるのは(ウランの)濃縮設備。『我々は(兵器用の)濃縮設備を持っている』とは一度も認めていない。同じ主張を北朝鮮がすれば、大きな『デッドロック(行き詰まり)』に乗り上げることもありうる」

さらに、トランプ大統領が「日本や韓国が支援する」と発言した非核化のための費用には、核兵器や施設の査察、廃棄や解体、補償なども含まれると莫大(ばくだい)になると言う。

日本エネルギー経済研究所・黒木昭弘常務理事「北朝鮮の核開発の規模によるので、何とも言えないが、数百億で済むとは絶対思わない。だから数千億円の単位。それが1000億円で済むのか、8000億かかるのか全くわからない」

その上で、非核化の達成には「10年で終わればいいほう」と、長期化するとの見通しを示した。