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両陛下 退位前“最後”の東北被災地訪問

2018年6月9日 18:43
両陛下 退位前“最後”の東北被災地訪問

天皇皇后両陛下は福島を訪問されている。東日本大震災の被災地訪問は退位前、最後とみられる。

天皇皇后両陛下は9日午後、福島県に入られた。震災後、6度目の訪問。

両陛下はまず、いわき市の復興公営住宅を訪問された。ここには原発事故の避難者らが450人近く暮らしている。

富岡町出身の71歳の女性は今年3月、息子と共に、ここで生活を始めた。自宅は福島第一原発から10キロ圏内にあった。

あの日、女性は白い煙を見たという。

富岡町出身の住民(71)「自分のうちの方の方角見たら、ポン、ポン、ポンって白い煙が、東電(福島第一原発)から出てた」

転々とする避難生活の後、仮設住宅で夫が倒れた。

富岡町出身の住民(71)「うちのお父さんが急に倒れた。急性脳梗塞、重症だった」

夫は亡くなり、「震災関連死」と認定された。

富岡町出身の住民(71)「お父さんの分までみんなで頑張ろうと結局、今日まで頑張ってきた」

震災から7年、ようやく仮設住宅をでるときの気持ちを女性はこう語る。

富岡町出身の住民(71)「ああ、ここ(仮設住宅)で終わりじゃないんだな。郡山の仮設(住宅)では、ここでは死にたくないなとやっぱり思っていた」

女性は、この復興住宅を「終(つい)の住処(すみか)」と考えている。

9日、復興公営住宅の居住者と懇談した両陛下。

10日は、南相馬市で「全国植樹祭」に臨まれる。