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G7 米・貿易政策に各国の批判が集中

2018年6月9日 17:37

カナダで開かれているG7(=主要7か国首脳会議)は8日、初日の議論を終えた。アメリカの貿易政策に各国の批判が集中するなど、波乱含みの展開で首脳宣言の取りまとめも難航しそうだ。

初日の会議では、トランプ大統領が進める鉄鋼などの輸入制限に対し、各国から批判が相次ぎ、安倍首相も「貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない」と訴えた。

これに対し、トランプ大統領が、従来からアメリカ製品の輸出を阻んでいると主張してきた各国の関税や補助金などを撤廃すべきだと訴え、両者の主張は平行線をたどった。

一方、北朝鮮問題では、安倍首相が「制裁を解除するタイミングを見誤ってはならない」と述べ、安易に制裁を解除しないようクギを刺した。

また、拉致問題解決の必要性についても訴え、各国は理解を示したという。

ただ、会議後に出す首脳宣言について、日本の政府関係者は「全くまとまる気配はない」と話すなど、貿易問題での対立は深刻な影を落としている。

ある政府関係者は「このままでは中国とロシアが喜ぶだけだ」と話した。

アメリカと他の6カ国の対立に拍車がかかるなか、G7はまさに、その結束が問われることになる。